負けなければ勝てる!
世の中楽しんだもの勝ち
フォーマット制定直後から大人気フォーマットとなったデュエパーティ。
このゲームフォーマットは、自分の好きなパートナーを1体選び、それをベースにデッキを組むという、非常に面白いゲームである。
デッキ枚数は60枚。しかも、同じカードは2枚以上入れられないという縛りがあるため、構築に少し慣れは必要だが、戦略の幅は非常に広い。
そのうえ、ゲーム体験も非常に楽しいものであり、勝ち負けを争う通常のフォーマットと違い、主に”楽しむ”事が重要視されるフォーマットだ。
故に、ド派手なコンボやインパクトのあるギミックを搭載したデッキは、このゲームの趣旨に非常に合致したものだと言えるだろう。
しかし、何もド派手なコンボである必要は無い。
皆があっと驚くようなコンボやギミックであれば、何だって構わないのだ。
それこそ、一気に大爆発するような動きだけではなく、不死身になってみたり、相手の動きを完全に縛り上げてみたり、普通の環境ではまず見られないようなコンボで対戦相手を驚かせるのも良いだろう。
と、ここまではコンボやギミックについて語ったが、デュエパーティには別の楽しみ方がある。
それは何かのテーマに沿ってデッキを組むという楽しみ方だ。
例えば、種族をテーマにした構築。
ある特定の種族が好きなのであれば、その種族を軸にしたデッキを組む事も、デュエパーティの醍醐味だ。
通常のデュエル・マスターズであれば、常に勝ち負けというものが付きまとうため、マイナーな種族や、既に第一線で戦う事が難しい種族では、全く歯が立たないのが現状だ。
しかし、楽しむ事が主となるデュエパーティでは、そのような種族でも十分に活躍する機会があるのだ。
ちなみに、私は霊王と呼ばれ、かつてはゴースト使いを名乗っていたことからも、ゴーストという種族が大好きである。
まだデュエパーティのデッキは組めてないが・・・
それよりも先に、組んでしまったデッキがある。
それは、『サバイバー』だ。
初出は第5弾という、太古の昔から存在する種族。
その特徴は、自身の能力を他のサバイバーへと共有するという、かなり特異な能力だ。
集まれば集まるほど強くなるため、ゲームが長期化し、盤面の展開が広がるほど、その脅威は増していく。
デュエパーティはロングゲームになりやすいため、相性は良いだろう。
それに「このクリーチャーにあんな能力持たせたら滅茶苦茶強いんだけどなー!」みたいな、自分の考えた最強のクリーチャーを作り上げる事だって出来てしまう。
これをコンボと呼ばずしてなんと呼ぶのだろうか。
問題は、どうやって通常のクリーチャーをサバイバー化させるか、であるが・・・
そんな素晴らしい能力を持ち、5文明であり、パートナーに出来る凄いゲストが《スリヴァーの女王》だ。
マジック:ザ・ギャザリングとのコラボ枠として収録されたこのカードは、自軍全員をスリヴァー化&サバイバー化する事が出来る。
そのため、サバイバー能力をサバイバーでないクリーチャーに享受させる事が可能なのだ。
超次元ゾーンからクリーチャーを召喚できる能力も持っているが、デュエパーティでは超次元ゾーンを使う事はほぼ無いので、この能力が活躍する機会は少ない。
しかし、今回の「デュエキングMAX2023」に収録されている、自身のカードを超次元ゾーンに送り込むギミックと組み合わせる事により、この能力にも少し光明が見えてきている。
これらのカードと組み合わせる事で、この能力を活かす事も可能だろう。
が、今回はサバイバーという点に着目したデッキとなるので、この能力はいったん置いておこう。
という訳で今回は、この《スリヴァーの女王》をパートナーとした、サバイバーデッキのご紹介だ。
とにかく”生存”しよう
サバイバーでデュエパーティのデッキを組むにあたって、まず考えたいのはデッキのコンセプトだ。
普通にサバイバーを並べて攻めるという方法でも構わないが、どうやって並べるか、どのサバイバーを優先的に並べるかという指標があった方が、ゲーム中でも目的がはっきりしてプレイしやすい。
デュエパーティのデッキは60枚、初期手札も6枚からスタートと選択肢が非常に多いため、こういった、ゲーム中での動きを明確に決めておく事は非常に重要だ。
これを決めておかないと、序盤から思考時間が長くなってしまい、ゲームを無駄に長引かせる事になってしまう。それを防ぐためにも、デッキの指標・目的は決めておこう。
さて、デュエパーティにおけるサバイバーには、必殺技とも呼べるカードがある。
それが《漂流大陸の復活》だ。
多くのサバイバーと《スフィンティラノスβ》《無礼な刃 ラッシュα》を一緒に蘇生させ、スピードアタッカーと化したサバイバー軍団で一斉攻撃を仕掛けるというものだ。
墓地から一緒に出すサバイバーの中に《サイバー・B・フィッシュα》も居ると、一緒に蘇生したサバイバー全員がジャストダイバーにもなるので、かなり強烈な攻めとなるだろう。
当然、このコンボを決めるには、サバイバーたちを墓地に送りこむギミックが必要だ。
もっとも、このコンボはサブプランに据えて、メインはサバイバーを並べて攻撃、という方法もあるので、必ずしも墓地肥やしが必要というわけではない。
その場合、《漂流大陸の復活》に執着する必要が無いため、万が一このカードが最初からシールドに埋まっている場合でも、柔軟に戦えるだろう。
しかし、それではサバイバーという種族デッキであっても、何か驚くべきコンボやギミックが入るわけではない。
デュエパーティでサバイバーという種族でデッキを組む人は、少なからず存在している。
私が知る限り、その中の何割かは、この《漂流大陸の復活》をギミックとして据えているものだ。
何か独自性を出すなら、もっと他のアプローチが必要だろう。
他のアプローチとして、やはり”非サバイバーをサバイバー化させて、能力を付与する”という点に注目してみよう。
今回パートナーとして選んだ《スリヴァーの女王》の他にも、非サバイバーをサバイバー化するサバイバーは、各文明に1体ずつ存在している。
そのため、非サバイバーにサバイバー能力を与えるというアプローチも、そう難しい事では無いのだ。
では、非サバイバーにサバイバー能力を与えて、何をやるかを考えよう。
残念な事に、サバイバー化する事で得られる恩恵は、他の方法で得た方が安価だったりする。
例えば、スピードアタッカー化するにしても《炎刃 イダテン・アクセラー》で事足りてしまう。
ブロッカー化も《Dの牢閣 メメント守神宮》があるし、スレイヤー化にも《イモータル・ブレード》がある。
お気づきだろう。サバイバー化してサバイバー能力を享受するというのも、別に他でも出来てしまう事なのだ。
しかし、サバイバーにしか出来ない事が無い、という事では無い。
能力を共有させるという方法とは少し違うが、非サバイバーをサバイバー化する事で、恐ろしい事が起こる、そんなサバイバーが居る。
その恐るべきサバイバーとは、《宣凶師ラッセルズβ》だ。
なんと、自分の全てのサバイバーが、ウルトラ・セイバー:サバイバーとなる。
簡単に言えば、全てのサバイバーが、サバイバーの身代わりになれるという事だ。
という事は、だ。
非サバイバーの超強力なクリーチャーをサバイバー化し、展開したサバイバーで守り続けてやれば、”勝つ”事は出来ずとも”負けない”事は出来るはずだ。
そして、デュエパーティは4人対戦のゲーム。
自分が負けなければ、あとは3人で戦ってくれるだろう。
指針が決まったところで、どんなクリーチャーを守り続けることが得策かを考えよう。
負けない事を目指すのであれば、そのままの意味で、非常に強固な防御を実現してくれるクリーチャーが良いだろう。
そんな鉄壁を実現してくれるのが、《零獄接続王 ロマノグリラ0世》、そして《大樹王 ギガンディダノス》だ。
特に《ロマノグリラ》は、自身の能力で身代わりとなるサバイバーを継続的にバトルゾーンに送り込み続ける事が出来る。
相手にしてみれば、対処しないといけないクリーチャーが居るのに、周りのサバイバーが邪魔をして全く除去できない、という状況になるだろう。
全体除去を打っても半減するだけなので、全体除去ですら、複数回打ち込む必要があるほどだ。
そんな全体除去を打ち込み続けて、ようやく隙が出来たところで除去が可能になるのだから、相手にしてみたら、もう相手にする気も無くなる事だろう。
もちろん、サバイバーの数にも限りがあるので、永遠に守り続ける、という事はできない。
ように見えるかもしれないが、サバイバーには墓地回収のプロが存在する。
そんな凄い1枚が、《死縛虫 グレイブ・ワームγ》である。
自身含め、サバイバーが出ると、墓地のサバイバーを1枚手札に戻せてしまう、サバイバー限定の《凶星王ダーク・ヒドラ》のようなクリーチャーだ。
このクリーチャーもサバイバーなので、ウルトラ・セイバー:サバイバーで守る事が出来る。
当然、《凶星王ダーク・ヒドラ》も同じような仕事が出来るので、このクリーチャーもサバイバー化させてやることで、強固な盤面を構築する事が可能だ。
これで完全な鉄壁が完成した。
もはや誰も突破する事は敵わないだろう。
なので、他の3人で争っていただき、残った1人を倒せば勝利だ。
なに? 他の3人が結託して、せっかくのバトルゾーンを壊滅させようとしてきている?
そう、どんなにウルトラ・セイバー:サバイバーを並べたとしても、肝心な守るべきクリーチャーのパワーが0にされて破壊される、という事もあり得るだろう。
今までは、サバイバーの力で、守るべきクリーチャーに再び命を与える事はできなかった。
だが、今は違う!
この《イプシロン・トゥレイト》の登場により、サバイバーさえ生き残っていれば、再び鉄壁を再構築する事が可能となったのだ!
あらゆるリソースをつぎ込んで倒した《ロマノグリラ》や《ギガンディダノス》が、いとも簡単にバトルゾーンに復帰されては、さすがの相手も戦意喪失するだろう。
そのうえ、《イプシロン・トゥレイト》が居れば、自分のサバイバーが身代わりになるたびに、相手のクリーチャーを道連れにすることが可能になる。
こうなっては、もう放っておく他無くなってしまうだろう。
ここに、文字通り”生存者”となるためのデッキが誕生した。
生存特化のデッキリスト
パートナー
デッキリスト
というわけで、こちらがリストになる。
なんとデッキの半分ほどがサバイバーで占められている。
そのため、他のデッキでよく見られるマナ加速は最小限に抑えられている。デッキの都合上仕方ないが、少し初動は遅くなるだろう。
しかし、それを補って余りあるほど、中盤以降は強力に動くことが可能だ。
サバイバーは集まれば集まるほど強力になり、中にはリソースを確保するサバイバーも存在する。
そんなサバイバーを起点に攻撃し、稼いだリソースを使って後半戦へと突入しよう。
途中で《ラッセルズβ》を戦場へと送り込み、サバイバーを倒されにくくしたら、大型のフィニッシャーを投入。そのまま盤面の優位を保ちつつ、立ち回ろう。
大型のクリーチャーの中には、一気にクリーチャーを大量展開できるものが複数採用されている。
サバイバーは、並べば強いが、単体で見るとそれほど強力というわけではない。
そのため、序盤から次々にサバイバーを対処されていくと、リソースを稼げないまま黙って戦況を見守る事しか出来なくなるのだ。
それなら、一気にサバイバーを展開し、その隣に大型のフィニッシャーが居る、という構図を作ってやればいいのだ。
《ロールモデルタイガー》《天罪堕将 アルカクラウン》《終末縫合王ミカドレオ》といったクリーチャー達は、コストこそ重いものの、バトルゾーンに複数のサバイバーを供給してくれる。
一気にサバイバーを展開してしまえば、相手の対処を追いつかせる事無く、そこから展開を進めていく事も可能、というわけだ。
盤面を固め、《ロマノグリラ》や《ギガンディダノス》といったクリーチャーをサバイバー化し、《ラッセルズβ》《グレイブ・ワーム》というバトルゾーンを構築したら、もはや不死身になったも同然。
しかし、それでも寿命というものは近づいてくるものだ。
そう、デッキの枚数である。
どんなにバトルゾーンが盤石な状態でも、デッキが無くなってしまっては敗北してしまう。
そんな運命を捻じ曲げてしまうのが《不死鳥縫合ブラック・ビッグバン》だ。
ひとたび盤面に定着してしまえば、デッキが無くなったとしても、自分が負けることは無い。
それどころか、カードを引くたびに、身代わりになったサバイバーを墓地から蘇らせる事すら可能だ。
《トリトーンβ》が居れば、サバイバーが攻撃するたびに、墓地からクリーチャーを釣り上げる事までできてしまう。
こうなってしまったら、もはや《グレイブ・ワーム》すら不要にしてしまえるほどの生存能力を得られるのだ。
このデッキは先にも述べた通り、序盤の動きが少し遅い点が弱点となっている。
他の3人の動きを見ながら目立たないように立ち回り、うまく序盤を乗り切るように心がけよう。
そうすれば、不死身になる機会は、どこかで訪れるだろう。
終わりに
という事で、今回は久しぶりのデュエパーティのデッキ紹介。
《スリヴァーの女王》は、超次元ゾーンを使うという能力があるので、超次元ゾーンを使わないデュエパーティとは少し相性が悪いように思うかもしれないが、全然そんなことは無い。
むしろ、少しずつ増えているサバイバーと組み合わせて、今回のような使い方も出来てしまうのだ。
冒頭でも述べたように、普通のカードを超次元ゾーンに送るギミックが少しずつ増えている今、今後は超次元を使ったデッキを組むことも出来るようになるだろう。
そうなったら、構築の幅も戦略の幅も、もっと広がっていく事だろう。
ちなみに、《イプシロン・トゥレイト》を《漂流大陸の復活》で釣り上げるという動きは、普通のフォーマットでも出来る動きである。
これを使えば、たった5マナで《イプシロン・トゥレイト》をバトルゾーンに出し、攻撃時に大型クリーチャーを踏み倒す、という動きも可能だ。
このギミックを使ってデッキを組むのも、面白いだろう。
全くどうでも良い事だが、この記事を書いている途中、何度も「サバイバー」という文字がゲシュタルト崩壊し、本当に表記が正しいか分からなくなってしまった。
サバイバー、恐るべし・・・