はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは直近の環境で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は火単【アーマード】。
最新セットであるアビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」にて大々的にフィーチャーされ、新ギミック「メクレイド」の申し子として現れた、種族カテゴリ「アーマード」で40枚を埋め尽くすデッキタイプです。
スタートデッキ「竜軍・オブ・ボルシャック」の存在もあり、メクレイド入門としてはわかりやすい火単【アーマード】ですが、すでに大会での入賞報告もあるほどのパワーを秘めており、今後の活躍にも期待できるデッキタイプです。
今回は新パック・新戦略の代表選手・火単【アーマード】について、基礎から解説していきたいと思います!
火単【アーマード】のサンプル構築
火単【アーマード】ってどんなデッキ?
コスト3以下のエレメントを破壊できるため、クリーチャーはもちろん《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》のようなフィールドにも対処可能。
これらのカードによってメタを強引にこじ開けられるのはもちろん、相手の出鼻を挫くことで盤面で戦うデッキに対してテンポを取りながら戦っていけるのも火単【アーマード】の特色です。
このデッキ最大の魅力は、なんと言ってもその爆発力の高さでしょう。
特にコストや条件を必要とせず、アーマード・メクレイド5がアーマード・メクレイド5を呼ぶ構造になっているため、ともすれば1回のメクレイドから《ボルシャック・アークゼオス》が2〜3体並ぶこともそれほど珍しくはありません。
ここで《クック・轟・ブルッチ》や先置きの《ボルシャック・フォース・ドラゴン》が味方全体にスピードアタッカーを付与したり、シビルカウント5で無限攻撃できる《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》に繋がって攻撃を始めれば、一瞬でゲームが決着しかねないほどの瞬間火力を発揮します。
一方で、基本的には徹頭徹尾「打点を押し付ける」力のみに特化しており、S・トリガーを回避する手段は非常に限られます。
特に、《テック団の波壊Go!》や《B.F.F. モーメント》のようにパワーを参照しない全体除去に対してはほとんど無力。アーマード・メクレイド5を主軸に据えている関係上デッキの大半がコスト5以下のカードで構成されていることもあり、ほとんどケアが効きません。
これらのカードが多いと予想されるメタゲームではやや扱いづらいデッキでしょう。
【火単アーマード】に採用されるカードについて
各ターンに1度だけアーマードのコストを1下げて使える、「アシスター」サイクルのアーマード担当。
このデッキでは《「暴竜爵は不滅なり!」》を3ターン目に唱えられることと、《ヒートブレス・チャージャー》のコストを1軽減することで3ターン目に2+2で動けるようになることが大きなメリットとして挙げられます。
また、アシスター全般に共通する強みとして、「ターンのはじめに」の制限を持たないためアシスターを召喚したターンからすぐに次のカードのコストを1下げられます。
2ターン目にアシスター、3ターン目に2枚目のアシスターを軽減して1マナで、3マナのカードをさらにもう1回軽減して2マナでプレイし、4ターン目からは2体分の軽減を載せられるのは覚えておくべきポイントです。
上面は破壊された時に自軍のドラゴンをすべてアンタップできるガードマン、下面は山札の上から4枚を見てドラゴンかファイアー・バードを回収しつつ残りのカードを山札の上か下に振り分けて積み込めるサーチ呪文のツインパクトです。
特に下面のサーチ呪文が非常に高性能。必要なカードは全て上に置いて次のターンにドローできるため実質的に2枚分以上をサーチできるのはもちろん、メクレイドや山札の上からランダムな踏み倒しを行うカード全般を積み込みでサポートできるため、上下自由に振り分けられるだけで活用の幅が非常に広がるカードです。
2ターン目にプレイするのはもちろん、メクレイドのハズレでプレイして体勢を整えたり、2ターン目《アシスター・コッピ》→3ターン目《ヒートブレス・チャージャー》+《「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》で4ターン目の動きを最大化させたりと様々な場面でくっつきの良さが光ります。
サポートカードとしてはこの上ない性能を見せる一方で、即座に盤面に影響を与えるカードではありません。除去カードやスピードアタッカーとの枚数配分は悩ましいところですね。
上面はそれほど活用できる場面は多くありませんが、アンタップ能力は悪用のしがいがあります。例えばタップされている相手のクリーチャーに特攻したり、ダイレクトアタックに回すことでブロックを強要したりと、あえて破壊されにいく動きを意識すると使い道が広がります。
エレメント破壊除去を飛ばせるトリガー付きの軽量アーマード・ファイアー・バード。
クリーチャーだけでなくフィールドまで飛ばせるため対応範囲が広く、先述したように大量展開を阻害してくる《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》や、【水魔導具】のキーパーツである《卍 新世壊 卍》に対してテンポよく対処できます。
また、トリガーを持っている点も非常に便利で、単体で受け札として機能するのはもちろんのこと、《ボルシャック・アークゼオス》がバトルゾーンにあれば強制バトル能力を誘発させてさらにもう1面持っていくことも。
総合的に見て非常に取り回しが良く、コスト制限こそあるものの状況に依存しないため採用しやすい1枚です。
墓地リセットを仕掛けつつ、その枚数以下のコストを持つクリーチャーを破壊できる、除去と墓地メタを兼ね備えたクリーチャーです。
特に環境で大暴れしている【サガループ】対策として有用なカードですが、このデッキ自体には能動的に墓地を肥やす手段がないため、除去として使いたくても使えない状況が少なからずあるのが大きなウィークポイントです。
主に墓地リセットがメインの役割で除去性能には期待をかけすぎないのが吉。サンプル構築では自分の動きに絡みづらいカードということで枚数を減らしていますが、メタゲームによって採用優先度は変わります。言うまでもなく、【サガループ】を意識するのであれば増量したい1枚です。
コスト3パワー1000のスピードアタッカーと、コスト4でアーマード・メクレイド5するだけの呪文が組み合わさったツインパクトカード。
アーマード・メクレイド5はこのデッキの全ての起点です。コスト4はそのまま使うにはややもっさりしているため、《アシスター・コッピ》でサポートして素早く叩き込んでやりましょう。
基本的には次のアーマード・メクレイド5に繋げるのが目的のカードで、他のメクレイドからプレイして再抽選するカードしても使い勝手は良好。デッキを強烈に圧縮し、再現性を高めてくれている1枚です。
上面もおまけとして出てくる分には十分。最低限スピードアタッカーとして打点に貢献できる選択肢であることは意識から外さないようにしておきましょう。
登場時に次にプレイするアーマードを大幅にコスト軽減し、味方のドラゴン全てにスピードアタッカーを付与する生きた《スクランブル・チェンジ》。
スピードアタッカー付与が常在型能力なのが嬉しく、《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》のブレイク時メクレイドや《ボルシャック・バラフィオル》の能力から登場しても味方をスピードアタッカーにして打点増強に貢献してくれます。
また、単体で見ても《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》との相性はもちろん抜群。5マナから4+1で出撃するデザイナーズ・コンボは分かっていても避けられません。
重いカードが少ないためコスト軽減を活かしづらいのは気になるところですが、常在型のスピードアタッカー付与を評価して4枚採用されています。
3マナで登場時にパワー4000以下のクリーチャーを破壊できるタマシード/クリーチャー。自分の火のクリーチャーかタマシードが合計4枚以上あればクリーチャー化し、攻撃時に他の味方全体にスピードアタッカーとパワーアタッカー+6000、パワード・ブレイカーを付与します。
展開を作る前に盤面に置いておけば中盤以降には召喚酔いを解除する装置として機能する上に、登場時の除去が先置きしたい性質と噛み合う点が強み。盤面干渉でテンポロスを最小限に抑えつつ、後々のアクションを有利にしてくれます。
後からメクレイドで登場した場合でも、《クック・轟・ブルッチ》があれば召喚酔いせず攻撃可能。常在型能力の《クック・轟・ブルッチ》は除去されればスピードアタッカー付与が解除されてしまうため、あちらでこのクリーチャーをスピードアタッカー化しつつ、いの一番にこのクリーチャーから攻撃してスピードアタッカーをさらに付与すればそのターン中はどのクリーチャーが除去されても問題なくなります。
何かと使い道が多く、比較的序盤に出したいこともあって多めに採用したいカードです。
自分の「《ボルシャック》」が攻撃する際に山札の一番上がコスト6以下の火のクリーチャーであれば踏み倒せるタマシード/クリーチャー。このデッキでは《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》以外の37枚すべてが踏み倒し対象になります。
コスト4とやや重めながら出したターンは盤面に干渉できないのが玉にキズ。余裕があれば《アシスター・コッピ》から繋いで3ターン目に出すことも可能ではありますが、自前でスピードアタッカーを持っていることも考えると、むしろ先置きよりもメクレイドのサブ当たりとして運用するのがベストでしょう。
火単【アーマード】の出力を大幅に底上げしている最新弾の目玉SRクリーチャー。
自身がコスト5であるにも関わらず、登場時に一切の追加コストなくアーマード・メクレイド5が可能。運次第ではあるものの、《ボルシャック・アークゼオス》から《ボルシャック・アークゼオス》が連鎖し、さらに《「暴竜爵は不滅なり!」》に繋がって……とカード1枚から芋づる式にメクレイドを連鎖させていくことができます。
また、自分のファイアー・バードの数に合わせたパンプアップとファイアー・バード登場時に誘発する強制バトルによって盤面制圧力は抜群。誘発した時点でほぼ確実に+3000は乗っているため、手軽に8000火力を押し付けることができます。
パワード・ブレイカーも抜け目なく持っており、ファイアー・バードが1体いれば2打点に、3体以上いれば3打点にと、コスト5で後続を自分で呼べるクリーチャーとは思えないほどの打点効率も優秀です。
スピードアタッカーは持っていないため、《クック・轟・ブルッチ》や《ボルシャック・フォース・ドラゴン》との併用や、《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》のように自分で殴り切れるクリーチャーを展開の最後の踏み倒して出たターンから火力を押し付けていけるのが理想。
総じてメクレイド5で見えた際にはほぼ確実に踏み倒したい、デッキの中核を担うエース的存在です。
ついに真価を発揮した前弾のORクリーチャー。
アーマード・メクレイド5で踏み倒せるコスト域に横並べ戦術と相性のいいシビルカウント持ちと、まさにメクレイドで使うことを想定されたフィニッシャー。このデッキであればシビルカウント5を達成して無限攻撃に持ち込むことも全く難しくありません。
いくら防御手段が強くなったとはいえ、無限攻撃ってこんな手軽にやっていいんだと感動すること請け合いです。
とはいえ、G・ストライクや単体除去トリガーで簡単に止まってしまうこと自体は事実です。破壊除去には一定の耐性があるものの、現環境で破壊除去を飛ばして受けてくるデッキがそれほど多くないこともあり、単騎で相手のシールドを全て割り切ってダイレクトアタックまで行く展開はそうそうないでしょう。
もっとも、シビルカウントを達成しているのであれば確実に横にもクリーチャーが添えられているため、単体除去であれば横のクリーチャーを使ってフィニッシュできる場面がほとんど。展開を作れるカードではないため枚数は取りづらいですが、数枚デッキに忍ばせておきたいカードです。
このデッキで唯一の高コストアーマード。シールドをブレイクする際、その前にブレイクしようとしているシールドの枚数分だけアーマード・メクレイド5を行います。
特にサポートがなくとも、出してプレイヤーを攻撃するだけで無料2連メクレイド。6枚も捲ればデッキトップからさらなるアーマード・メクレイド5に繋がる期待値の方が高く、連鎖的に展開を作って盤面を押していくことができます。
基本的には2マナ軽くバトルゾーンに送り込める《クック・轟・ブルッチ》との2枚コンボとしての運用が主。スピードアタッカー付与は噛み合いませんが、3ターン目のチャージャーやアシスターから4ターン目に展開を作れます。
メクレイド5の対象にならない都合上、採用枚数はかなり悩みどころです。2枚程度に押さえてサブプランと割り切ってもよし、3〜4枚採用しつつアーマード・メクレイド8も組み込んでガッツリメインに据えるもよし。この辺りは自身のお好みに合わせて。
おわりに
というわけで今回は火単【アーマード】について解説していきました。
新ギミック・メクレイドを最もわかりやすく、かつド派手に楽しめるのがこの【アーマード】。盤面が空の状態からでもメクレイドがメクレイドを呼び、瞬く間に戦場をアーマード軍団が埋め尽くす展開力は、他の種族では味わえないものです。
環境的な観点で言えば、トリガーを回避する手段がない分デッキとしての強さにはやや不安がありそうですが、繰り出される打点のパワフルさで言えば全く引けを取りません。アビス・レボリューションの新戦略を味わう足がかりとして、ぜひ触ってみてはいかがでしょうか。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!