はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は水闇【ジョルジュDOOM】
2022年末あたりからアドバンス環境で爆発的に数を伸ばした構築で、現在も有力デッキとして環境に定着中。話題性では既に少し旬を過ぎた感はありますが、タイミングを逃して紹介できていなかったこちらを今回はピックアップ。
アドバンス環境に現れた新たな刺客・水闇【ジョルジュDOOM】について、今回も基礎から解説していきたいと思います!
水闇【ジョルジュDOOM】のサンプル構築
メインデッキ
超次元ゾーン
超GRゾーン
零龍
水闇【ジョルジュDOOM】ってどんなデッキ?
水闇【ジョルジュDOOM】に採用されるカードについて
水/闇かつクリーチャーの頭数に着目する墓地利用デッキでは定番の、「2枚引いて2枚捨てる」ルーター能力持ちクリーチャー初動群。
《ジョルジュ・バタイユ》早期着地のためにクリーチャーを4体並べたいこのデッキにおいても、避けては通れない存在です。
基本的には3種全て同じ能力を持っていますが、唯一《戦略のD・H アツト》のみ効果が任意である点には注意しておきましょう。
こちらも墓地利用デッキでは定番の墓地肥やしサポートクリーチャー。
直近で活躍する類似基盤のデッキ・水闇【ゼーロ】では、《闇王ゼーロ》の手札コストとして使えない水単色が敬遠されていましたが、《闇王ゼーロ》を使わないこのデッキであれば気にする必要はありません。ただ墓地に置かれるだけで、1枚ドロー・1枚ディスカードを発生させるのは、墓地コンボデッキにとってはやはり破格です。
山札を掘り進めてコンボパーツを引き当てる確率を高めつつ、《ジョルジュ・バタイユ》による墓地倍化に向けて1枚でも多く墓地を確保するのが、このデッキにおける《一なる部隊 イワシン》の主な役割。
アンタップインする水マナ源としても悪くはありませんが、基本的に闇文明のマナが多いほうが終盤に動きやすいため、どうしても他のカードを切りたくない場合にのみマナ置きを考えたいところです。
デッキ単位で苦手とする【オービーメイカー】に少しでも抗うために搭載された最終兵器。
軽量メタクリーチャーを手札に戻しつつ、コスト2以下のクリーチャーの召喚を制限することで、《十番龍 オービーメイカー Par100》着地のターンを1ターンずらすのがこのカードの最大の役割です。
ほとんどのカードがコスト2以下で構成されているアドバンス環境の【オービーメイカー】はこれを召喚されるだけでほとんどまともに動けなくなる……のは事実なのですが、このカードをギャラクシールドでプレイするターンは墓地肥やしができないため、先手後手問わず、2ターン目は自分の動きのために《戦略のD・H アツト》系のカードをプレイするのが最優先です。
必然的に、相手に先攻を取られた場合は3ターン目の《十番龍 オービーメイカー Par100》召喚を許してしまいます。
とはいえこちらが先手であれば3ターン目のプレイでも十分に妨害として機能しますし、着地されてしまった後も《十番龍 オービーメイカー Par100》の登場時能力ロックを無視してシビルカウントを外せたり、《とこしえの超人》を手札に戻して返すターンに再召喚させなかったりと、役立つ場面は多いです。
ギャラクシールドでマナを先払いしつつ登場ターンをズラせる点も、頭数が重要なこのデッキでは何かと便利です。特に、《暗黒鎧 ザロスト》と合わせてターン開始時に2体のクリーチャーを揃え、相手の盤面処理を無視して《罪無 ジョイダム垓》をムゲンクライムする動きは鉄板ムーブでしょう。
単独で完結した自己蘇生能力を持つクリーチャー群。この2種のうちどちらかをコスト2ルーター群から墓地に送り込み、3ターン目に《罪無 ジョイダム垓》のムゲンクライムで4体のクリーチャーを揃えるのがこのデッキの最速パターンです。
ターン開始時に誘発するためバトルゾーンに残りやすく、シールドをコストにするため墓地の枚数を維持できる《暗黒鎧 ザロスト》が基本的には優先順位高め。
《ビックリーノ》は相手のバトルゾーンにクリーチャーがなく、相手がS・トリガーを持つカードを使わず、なおかつ《流星のガイアッシュ・カイザー》の影に怯えなければならないなど、全体として相手のデッキに依存する部分が多いのがネック。
ただし、相手の取れる動きも限られる先手2ターン目ではこれらのデメリットが目立ちづらく、むしろ相手のメタクリーチャーが登場する前に蘇生してしまえるため優先度が上がります。
バトルゾーンのクリーチャーは必要になりますが、わずか2マナで2体のクリーチャーをバトルゾーンに追加できる、《ジョルジュ・バタイユ》の心強い相方。
出来るかぎり早いうちにクリーチャーを2体並べ、このクリーチャーをムゲンクライムして《ジョルジュ・バタイユ》へと繋げるのがこのデッキの序盤のチェックポイント。特に、最速の3ターンリーサルパターンを狙ううえではこのカードがほぼ必須になります。
墓地からムゲンクライムすると《ジョルジュ・バタイユ》で山札を掘る枚数がわずかながら減ってしまうため、ハンドキープに問題がなければ手札からムゲンクライムしたいところです。
マナコストを支払う代わりにクリーチャー4体を破壊して召喚できる大型クリーチャーです。
登場時能力で墓地の枚数を一気に増やすと同時に『破壊の儀』を達成し、増やした墓地から《超神星DOOM・ドラゲリオン》を回収してそのまま召喚に繋げるのがこのデッキでの主な使い方。
一気に山札を掘り進めることで、《超神星DOOM・ドラゲリオン》自身と踏み倒し先を墓地に用意しつつコスト軽減のタネとなる進化元も同時に確保。このクリーチャーの能力で破壊される4体と、それを揃えるために達成した『復活の儀』の墓地肥やし2枚分で、ほぼ確実に墓地6枚は達成可能。《ジョルジュ・バタイユ》で6枚追加して『復活の儀』で墓地回収しても差し引き11枚が残るため、余程のことがないかぎり《超神星DOOM・ドラゲリオン》のコストは1まで軽減できます。
最初からバトルゾーンに置いておける零龍の儀を噛ませる必要はあるものの実質的に自己完結しており、とりあえずクリーチャーを4体揃えてこのクリーチャーを出しさえすればデッキが動き出す、読んで字の如くのキーカードです。
1枚で解決できるのは手札に揃えるカードの枚数が少なくて済むメリットがある反面、デッキ構造全体がこのカードのプレイに極端に依存しているため、基本的には引き込まなければ・プレイできる状況を整えなければ動き出せないのがネックでもあります。
プレイの際には、このカードを手札に抱えられるように全力で山札を掘り進めることはもちろん、相手のデッキに合わせてどのようなパターンで《ジョルジュ・バタイユ》が召喚できなくなってしまうかを考え、それを最大限ケアする立ち回りを心がけたいところです。
1つ目の効果と超無限墓地進化によって、墓地にあるクリーチャーから選んだ分だけコスト軽減され、メテオバーンで墓地の非進化クリーチャーを何でもリアニメイトできる新感覚の墓地コンボエース。
踏み倒し先の条件が非常に緩く、コストや文明に関わらず進化でさえなければ「何でも」踏み倒せるため拡張性が高いのが特徴です。自身がフィニッシャーになるわけではありませんが、環境や好みに合わせて大型クリーチャーを自由に組み込めます。
おまけというには範囲が広すぎるパワー-9000もメテオバーンにくっついており、踏み倒しメタを強引に踏み越えられるのも強みのひとつと言えるでしょう。
基本的には《ジョルジュ・バタイユ》とセットで考えたいカードですが、どうしても《ジョルジュ・バタイユ》が出せそうにない場合はルーターや《一なる部隊 イワシン》を駆使して素直にマナを払って召喚するパターンも視野に入ります。
自分の墓地にクリーチャーが6体以上あればコストを支払わずにプレイできる墓地回収クリーチャー。
単純に中盤以降の選択肢を広げるカードでもありますが、どちらかといえば「『復活の儀』や《暗黒鎧 ザロスト》の蘇生コストといったランダム要素で墓地に落ちた《ジョルジュ・バタイユ》にタイムラグなく触れるカード」としての側面がこのデッキではフォーカスされています。
墓地回収と同時に頭数を増やせる点も《ジョルジュ・バタイユ》とよく噛み合っており、ルーターや《一なる部隊 イワシン》で墓地を肥やしてこのクリーチャーを絡めることで、《とこしえの超人》で止まってしまう蘇生クリーチャーを介さずともコンボまで踏み込めるパターンも見えてきます。
クリーチャーとして使いづらい場面でもとりあえずマナに埋めるに困らない闇単色ということもあり、総じて腐る場面のほとんどない優秀なカードです。
ジャストダイバー+EXライフによる生存力・突破力に加えて、中型クリーチャーまで焼き払える全体火力にリソース補助、追加ターン能力まで兼ね備えた、大型フィニッシャーの代表的存在となりつつある火/水/自然のキングマスターです。
《ジョルジュ・バタイユ》+《超神星DOOM・ドラゲリオン》との噛み合いが非常に良く、踏み倒されてもフルスペックを発揮するうえに《ジョルジュ・バタイユ》の代替コストで4体のクリーチャーを破壊しているため、生き残りさえすれば盤面に依らず追加ターンを獲得できます。
フィニッシュの際には追加ターンを計算に入れたうえで、どこまでならトリガーを踏んでいいのかを勘案して詰めていきましょう。特に《終末の時計 ザ・クロック》が入っていそうな対面には慎重な立ち回りを求められます。
アドバンス界に多大な影響を及ぼしたP侵略/P革命チェンジ持ち両面クリーチャー。
このデッキでは主に《超神星DOOM・ドラゲリオン》から《蒼き覚醒 ドギラゴンX》にP革命チェンジし、ブロックされない打点として押し込み力を向上させる役割を持っています。
それほど使う場面は多くありませんが、トリガーブロッカーを強引に突破できるオプションがあるのは少なからぬメリットです。
以下、このデッキのGRクリーチャーは《手札の儀》からしか登場しないため、基本的に狙って出すことはありません。よって、ピンポイントの場面で活躍できるか、メインの動きを阻害しないカードが主に採用されています。
《ダラク 丙-二式》は登場時に山札の上から1枚を見て、墓地に置くか山札の上に置いておくかを選択できるクリーチャー。
かなり地味な能力ですが、山札の上を調整できるため手札がなくて困っている状況を打開する1手にはなり得ます。墓地肥やしはとりあえず腐らないのも良し。
墓地利用デッキに対してクリティカルになる……かもしれない墓地メタGR獣。
ピンポイントながら有効なタイミングで登場すれば劇的にゲームの流れを変えられる点が評価され、後述する《全能ゼンノー》とともに採用率の高いクリーチャー群です。
ビートダウンデッキの強引な差し切りを止められる、かもしれないGR獣。
アビスラッシュやスピードアタッカーでフィニッシュを狙うデッキは必ず対処に1手費やさせられます。
こちらも有効なタイミングで捲れた際のゲームへの影響度が非常に高く、うまく機能すれば勝敗をひっくり返すだけのパワーを持ったクリーチャーです。
コマンド持ちの闇GR獣2種。どちらも《時空の禁断 レッドゾーンBSR》に侵略できるのが最大のセールスポイントです。
《凶鬼000号 ゼロヴォイド》は条件を達成していれば破壊除去による除去を受け付けないため、【闇単アビス】のように破壊除去でしか打点を止められないようなデッキに対しては侵略せずに活用する場面もありえます。
《暗黒の騎士ザガーンGR》は特別な能力こそありませんが、元からW・ブレイカーと高いパワーを持っており、デメリットも特にないため単純なスペックはGRクリーチャーの中でもトップクラスです。
おわりに
というわけで、今回は水闇【ジョルジュDOOM】について解説していきました。
やはりというかなんというべきか、クロニクル・ダークサイド・デッキ「零誕」基盤の強力さは本当に目を見張るものがありますね! 《零龍》というカードの強さや、それを活用できる「クリーチャーを並べて破壊することで何かしらのコストを満たす」戦術は今後も活躍していきそうです。
メインギミックについても、ハンドキープや構築における闇文明比率の維持など何かと課題の多かった《闇王ゼーロ》とは異なり、とりあえずクリーチャーを4体揃えればプレイできる《ジョルジュ・バタイユ》の柔軟性が目に付きます。その分速度面では一歩譲るのも事実ですが、妨害耐性やフィニッシュの確実性では【ジョルジュDOOM】に軍配が上がる印象です。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!