はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は闇火【ドルマゲドン】
2022年8月発売のクロニクル・ダークサイド・デッキ「終焉」でメインテーマのひとつとして取り上げられました。かつては一時代を築いたたものの、環境の変化によって現在は下火となっていたこのデッキ。さらなる移り変わりを経た今、当時の流行とはまた違った姿にアップデートされて、現環境で密かに活躍の場を広げています。
まだまだ一線級の闇火【ドルマゲドン】について、今回も基礎から解説していきたいと思います!
闇火【ドルマゲドン】のサンプル構築
メインデッキ
超次元ゾーン
最終禁断フィールド
闇火【ドルマゲドン】ってどんなデッキ?
各種コスト軽減カードを駆使して3ターン目から《FORBIDDEN STAR 〜世界最後の日〜》の封印を解除していき、同時に相手に干渉できるコマンドで相手のリソースを制圧。
戦況が整い次第、トリガークリーチャーやニンジャ・ストライクを起点とした《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の禁断爆発カウンターを盾に攻撃を仕掛けたり、時には素早く禁断爆発させた《終焉の禁断 ドルマゲドンX》で過剰打点を確保したりしながら相手を詰めていく、コントロール寄りのミッドレンジデッキです。
墓地からのリソース獲得に長けているため、粘り強くゲームを進められる長期戦は大得意。ハンデスを中心とするリソース干渉や豊富な受けトリガーでゲームを引き伸ばし、自分の得意なフィールドへと持ち込むのが構築コンセプトです。
今回のサンプル構築では素早く打点を出すことをやや苦手としていますが、《銀河大剣 ガイハート》を装備した《最終龍覇 ボロフ》にP革命チェンジやP侵略を組み合わせればスピードアタッカーで打点を伸ばすことも可能。全体的に採用されているクリーチャーの打点が高く、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》による押し込みも有しているため詰め切りに苦慮することはそうそうないでしょう。
今夏にクロニクル・ダークサイド・デッキが発売された直後も流行した闇火【ドルマゲドン】。
その時期に活躍したのは革命チェンジやスピードアタッカーをふんだんに採用して果敢に攻めかかるのがセオリーの前のめりな闇火【ドルマゲドン】でしたが、この構築はコスト踏み倒しを多用することもあり、【ガイアッシュ覇道】に対して強みを押し付けづらいことが弱点でした。
今回紹介しているサンプル構築には、革命チェンジはおろかスピードアタッカーすらほぼ採用されておらず、構築の軸が大きく後ろに寄せられています。
自然単【オービーメイカー】や水火自然【モルトNEXTSAGA】など、トリガーケアをロック手段に頼らないビートダウンデッキが環境で活躍している今、トリガーを中心としたカウンター性能の高い闇火【ドルマゲドン】の通りが良くなっている、と考えられるでしょう。
闇火【ドルマゲドン】に採用されるカードについて
初動を固めるコスト軽減カード群。
事前に置いて半永続的に軽減できる《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》・単発ながら事前に置いておく必要のない《鬼寄せの術》と、それぞれにタイミングが異なる点が特徴です。
使えるタイミングが違うおかげで組み合わせやすく、どちらかがあれば3ターン目にコスト5のコマンド、両方揃えばコスト7の《悪魔龍 ダークマスターズ》でさえ3ターン目に召喚するロケットスタートが可能になります。
《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》は事前に張っておかないとゲーム速度向上には結びつかないものの、一度場に出さえすれば以降のコマンド召喚コストが常時-2される、ほぼこのデッキ専用の強力無比なフィールド。«FORBIDDEN STAR 〜世界最後の日〜»以外に封印の付いたカードを用意できるため、このカードを1枚展開できるだけで禁断爆発のタイミングを4ターン分先延ばしできるようになります。
2ターン目にプレイして3ターン目から軽減を活用できるのが理想ですが、2マナで張って2マナ分軽減できることから中盤以降も差し引きのマナ消費0で展開でき、効果は重複するため2枚目以降も無駄になりません。多色であること・山札消費が荒いことに目を瞑ればどのタイミングで引いても腐りづらいカードです。
クリーチャーでないカードは封印が付いても無視されるわけではないため、相手のカード除去で簡単に排除されてしまう点がかなり大きなネック。特に《超英雄タイム》のような軽くて取り回しのいいカード除去が流行っている環境ではやや使いづらさは否めません。
《鬼寄せの術》はシールドを1枚手札に加え、次に召喚する火または闇のクリーチャーの召喚コストを4下げる2マナの呪文。一時的にクリーチャーのコストを大幅軽減する呪文としては一般的な「差し引き2マナ軽減」呪文で3ターン目に5マナ域へとアクセスできます。
同一ターン中に軽減先とプレイする都合上2ターン目に先に引いておく必要がなく、3ターン目に両方が揃っていれば展開を作れる点が最大の強み。後述する《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》を2ターン目に置いたうえで3ターン目から封印を剥がしていくプランが取れるのは、《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》にはできない芸当です。
シールド回収によって手札消費を気にする必要がなく、強引に状況を打開できるカードを引き込みに行けるのも面白いですね。
一方で、大幅にコストを軽減する都合上、どこまでいっても最低2マナまでしか軽減できない多色コマンドとの噛み合わせはやや悪め。サンプル構築では採用されていませんが、《終断δ ドルハカバ》や《絶叫の悪魔龍 イーヴィルヒート》を3マナで召喚できない部分は構築次第では気になるポイントとなるでしょう。
クリーチャー・呪文のプレイ回数をお互いに1ターン3回まで制限するメタ能力を持った特殊フィールドです。
基本的に1ターン1アクションしか取らないこのデッキとの相性は非常に良く、闇火【ドルマゲドン】自慢の受けが通用しづらいループコンボデッキや、1ターン中に大量展開することが前提のデッキをシャットアウトできます。
現環境で活躍中の《十番龍 オービーメイカー Par100》の3ターン目着地を確実に阻止できる点も◎。マナアンタップクリーチャーを2枚噛ませれば4マナで召喚できるため打開自体は難しくありませんが、豊富な除去やハンデスでシビルカウントの達成を妨害していけます。
コマンド付きのトリガーブロッカーと初動チャージャーが一つになった、非常に優秀なツインパクトカードです。
《終断γ ドルブロ》はパワー3000でブロッカーしか能力を持たず、《ボーンおどり・チャージャー》は手札を消費して不確定なリソースである墓地を2枚増やすのみ。どちらも単体で見れば決して強いアクションではありませんが、1つの枠でどちらも賄えるとなれば話は変わります。
禁断爆発によって常にカウンターを狙えるコマンド持ちのトリガーも、スムーズにデッキのボリュームゾーンである5マナ域にアクセスできるコスト3のチャージャーも、デッキとの噛み合いは良好。受け札の増加と初動の安定を1枠に圧縮できるため、自由枠のスペースを確保できることもこのカードのおかげと言えるでしょう。
自前の軽減で3ターン目に出てくる強制バトル付きコマンドと、火力除去+封印除去の2面処理が持ち味の受けトリガー呪文が組み合わさったツインパクト。
クリーチャー側は強制バトルと《FORBIDDEN STAR 〜世界最後の日〜》によるスレイヤー付与の相性が良く、ゲーム中一度ならば疑似的な確定除去として扱えます。
自前の軽減によって3マナで召喚できるのはもちろん、他のコスト軽減と合わせて1マナで動いたり、逆に軽減を噛ませず手札枚数を温存したまま封印を剥がしたりと、コスト調節の自由度が光るカードです。
呪文側はほとんどのデッキ相手に2面処理を見込める強烈な除去呪文。封印による確定除去はコマンドで解除されこそすれ、トリガーした際の「1ターン生き残る」性能としては最上級です。
毎ターンじわじわと相手のハンドリソースを絞っていく、場持ちの良い中量級コマンド。
たかが1枚と侮るなかれ、最速3ターン目から機能しはじめる置きハンデスは手札のカードの組み合わせを前提としたデッキの選択肢を徐々に狭め、打開をどんどん難しくしていきます。
同じくハンデス持ちコマンドの《悪魔龍 ダークマスターズ》との相性は非常に良く、相手の手札が0枚の状況まで追い込んだうえで《霊荊連結 ジゴク・パルテノン》を維持すれば抜け出す術は非常に限られます。
完全に制圧した後には、1枚ずつシールドをブレイクしながらターン終了時にブレイクしたシールドを捨てさせる詰めパターンもアリ。プレイできるようになる3ターン目から終盤までどの局面でも役割を持てる1枚です。
ニンジャ・ストライク4と比較的早期からプレイでき、何かと小回りの効くコマンド持ちのシノビです。
登場時能力自体はパワー3000以下しか焼けず、有効な相手は非常に限定的。このカードの真価は「抱えておけば確実に、好きなタイミングで禁断爆発カウンターを狙える」点にあります。
《FORBIDDEN SUNRISE 〜禁断の夜明け〜》で封印枚数のコントロールが非常にしやすくなった闇火【ドルマゲドン】。ニンジャ・ストライクによって任意のタイミングで相手の攻撃に合わせた禁断爆発でどんな展開もリセットできるのは大きなメリットです。
「龍覇爆炎」で追加された、新たなコマンド持ちのトリガークリーチャー。相手ターン中に封印を外せるトリガーとして、小型クリーチャーの多面処理や、《銀河大剣 ガイハート》を通じての打点増強を担います。
闇火【ドルマゲドン】は単体除去こそ豊富なもののこまめな盤面処理を苦手としており、複数面を止めるトリガーも限られていました。このカードの追加で盤面を叩く手段が増え、小型クリーチャーを横並べする戦術にもより対応しやすくなったと言えそうです。
強力なドラグナーが少ないこのデッキでは《「助けて!モルト!!」》はほとんどおまけ程度ですが、封印を剥がさずに《最終龍覇 ボロフ》をプレイできる点はごく稀に活きるかもしれません。頭の片隅にでも。
言わずと知れたマナ破壊戦術筆頭の殿堂クリーチャー。ばっちり火文明かつコスト5以上のコマンドなので、闇火【ドルマゲドン】にも無理なく採用されます。
軽減カードと合わせれば3〜4ターン目に飛んできて多色デッキの動きを封殺できます。もちろん強い。
クロニクル・ダークサイド・デッキ「終焉」発売後に闇火【ドルマゲドン】を環境上位へと押し上げた最後のピース。
特に防御的な能力がついていないにも関わらず、トリガー付きのコマンド・ドラゴンかつドラグハートの恩恵を受けられるという2点をもってデッキのパワーを一気に押し上げました。これまで活用が難しかった超次元ゾーンを開拓しつつ、ドラグハートのカードパワーと柔軟性を享受できる点が何よりの強みでしょう。
墓地回収も弱いかと言われるともちろんそんなことはなく、剥がれた封印などで無理なく肥えた墓地から状況に合わせた対応が取れます。《終断χ ベガスランチャー》など、手札から誘発する受け札の相性は抜群です。
墓地の枚数に合わせてコストが軽減される大型メタクリーチャー。
登場時能力は使われてしまいますが、「マナをタップせずにクリーチャーが出た時」という条件は踏み倒しメタの中では比較的上位の強度。召喚にも反応するのでG・ゼロやGR召喚に強く、自分のターン中にも機能するのでニンジャ・ストライクやS・トリガークリーチャーに対して強く出られることは魅力です。自分のターン中であれば相手クリーチャーの登場時能力より先にこのクリーチャーの能力を解決できるため、トリガークリーチャーの持つブロッカーや強制バトルをほぼ無視できます。
また、アドバンスでは無視できない《流星のガイアッシュ・カイザー》も2ドローこそされてしまいますが、場に残らない点は嬉しいですね。
装備クリーチャーと相手クリーチャーを強制的にバトルさせるドラグハート。トリガードラグナーたちで受けようとするのであれば1枚は必須です。
装備先となるトリガードラグナーたちのパワーラインが低いため、受けとしての確実性はかなり低め。ですが、《FORBIDDEN STAR 〜世界最後の日〜》によるスレイヤー付与を活用すると確定除去トリガーに早変わりします。
1回限りではありますが、本来手の届かない相手まで止められるので、スレイヤー付与の使い所にはご注意を。
装備クリーチャーに無条件でスピードアタッカーを付与し、ターン中に自分のクリーチャーが2回攻撃するだけで7000火力を飛ばしながら実質的に選ばれない2打点のスピードアタッカーへと変貌するドラグハート界のエースストライカー。
ドラグハートを活用するデッキではほぼ例外なく引っ張りだこの《銀河大剣 ガイハート》ですが、このデッキでもご多分に漏れず、シンプルな打点増強や、殴り返しサポート、P侵略・P革命チェンジ用の殴り手確保と様々な角度から有用です。
盤面処理にドラグハートを割かなくていい展開であれば、迷ったらこれを装備すべし。
装備時に墓地のクリーチャーを1体回収できるドラグハート。
状況に合わせたカードを自由に確保できるため、シンプルながら強力。《最終龍覇 ボロフ》と組み合わせればカードアドバンテージを取りにいくこともできます。
手札2枚を捨てる必要はありますが、龍解後の《破滅の悪魔龍 ディアジゴク》も忘れてはいけない存在。打点やP革命チェンジ・P侵略への適性、攻撃時のパワー低下で殴り返し性能が高く、かゆいところに手が届くスペックです。
全ての闇コマンドの攻撃に除去を付与する、P(パラレル)侵略の持ち主。
今回のサンプル構築では《最終龍覇 ボロフ》以外の闇コマンドが全て2打点以上であるため打点補助にはなりませんが、-9000という強烈なパワー低下で面にプレッシャーを掛けられることが強力です。返しに処理されず生き残ってしまえばメテオバーン覚醒で裏返り、攻撃時に封印除去か2ハンデスを飛ばせる3打点へと変貌します。
また、P革命チェンジと違ってドラグナーに装備したドラグハートを残したまま登場できるのは、侵略ならではの魅力でしょう。《銀河大剣 ガイハート》を持ったまま侵略し、他のクリーチャーの攻撃と合わせて《熱血星龍 ガイギンガ》を龍解させれば一気に相手の盤面を壊滅させられます。
総じてボードコントロール寄りの立ち回りとの親和性が高く、盤面を制圧していくうえでは欠かせないクリーチャーです。
光のコマンドが採用されていないため、このデッキが使うのはもっぱら《蒼き覚醒 ドギラゴンX》。
闇文明のコスト5以上のドラゴンをいつでもブロックされない3打点に変身させられるため、打点補助として欠かせないカードです。ブロックされない能力は忘れがちですが《最終龍覇 ロージア》や《革命の絆》を貫通できる可能性があるため必ず意識しておきましょう。
注意点として、P革命チェンジしたクリーチャーは超次元ゾーンに幽閉されるためそのゲーム中はほぼ再使用不可能。ほとんどの状況では困りませんが、即時打点として計上できる《最終龍覇 ボロフ》の残り枚数は勝敗に直結する可能性があるため考慮したいところです。
唯一の例外が、元々ドラグハートであるため超次元ゾーンから再利用できる《破滅の悪魔龍 ディアジゴク》。このカードに関しては超次元ゾーン行きのデメリットがほぼないため、少しオトクにP革命チェンジできます。
デッキコンセプトとなるアドバンスならではのゲーム外部カード。
《零龍》のように特定条件を達成するたびにボーナスが得られますが、このカードのボーナスは《零龍》ほど強力ではなく、ささやかなおまけ程度。パワーアタッカーや火力除去などピンポイントで使えるかもしれない小さなメリットが揃っています。
そんな中で、スレイヤー付与は強制バトルやブロッカーと組み合わせれば実質確定除去となり、ゲームに少なからぬ影響を及ぼせる存在。タイミングは慎重に考えましょう。
禁断爆発後は相手のクリーチャー全てに封印を付与し、相手の封印解除をロック。実質的な確定除去を全体に飛ばした後に3回除去しなければ離れないT・ブレイカーが降臨してゲームを終焉へと導きます。
以前のルールでは《テック団の波壊Go!》でコスト5以下のカードが全て手札に戻される際、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》のコアはすべて手札に戻されるようになっていましたが、2022年11月11日付で裁定が変更。
構成パーツを除去しようとする効果に対して置換効果が適用され、禁断コア2枚を犠牲に耐えられるようになりました。(参考リンク:https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/42391/ )
この裁定によって《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が少し使いやすくなっているため、対戦する際はご注意を。
おわりに
というわけで、今回は闇火【ドルマゲドン】について解説していきました。
そもそもどちらかというと後ろ寄りの闇火【ドルマゲドン】が好きだったこともあり、今回の構築は個人的にしっくりくる形に仕上がっている印象です。
《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》のような採用できるデッキが限られるカードを無理なく取り込めているのが驚きでした! 苦手な水闇自然【グラスパー】のようなデッキに対しては致命的な1枚となりますし、他のデッキに対しても「詰みはしないけどゲームが引き伸ばされる」カードとして機能しやすく、闇火【ドルマゲドン】のコンセプトと噛み合っており、思わず唸ってしまったカードチョイスです。
「龍覇爆炎」の新規カードである《炎龍覇 グレンアイラ》がコマンド・ドラゴンのおかげで闇火【ドルマゲドン】の強化パーツになっているのも、いかにもデュエル・マスターズらしい強化のされ方で、面白さを感じます。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!