人生は分厚く生きていけ
人生の後に何があるのだろう
時の流れとは早いもので、ここ最近は一年があっという間に過ぎているように感じるほどである。
思えばデュエル・マスターズをプレイし始めて20年以上が経っていた。
最近、昔のカードを眺めていた際に初めてデュエル・マスターズのカードを手にした時の事、小学生時代の友人と試行錯誤しながら戦った日々を思い出す機会があった。
あれがもう20年も前の話なのだと考えると、この時間もあっという間に流れてしまったように思える。
ここから更に未来の自分がどうなるかは分からないが、この時間感覚を考えると思っていたほど人生は長くなさそうだ。
人は死後どうなるのだろうか。誰もが一度は考えた事があるだろう。
天国に行くか? 地獄に行くか? それとも生まれ変わるか?
この答えは簡単で、ほぼ全ての人間は墓地に行く。要するに、お墓に埋葬されるのだ。
そうやって、その人が生きた証を残し、後世の人に語り継いでもらう事で命は誰かの中で生き続けるのだ。
そう。人は命が尽きようとも、誰かがその思いを、意思を継いでくれる限り、生き続けるのである。
漆黒のフェニックス、再び
というわけで、最新弾”黄金戦略!!デュエキングMAX 2022”に新たに収録されたのが、この《超神星DOOM・ドラゲリオン》である。
アニメで登場した時から騒がれているこの1枚は、墓地利用カードの中でも屈指の有能さを持つと言える。
その能力を見ていこう。
まずは、自身のコスト軽減能力。
《暴走龍5000GT》に近い、実質的に墓地のクリーチャーの枚数だけコストが下がる能力である。
ただし、参照する枚数は進化元にする枚数であるため、2枚目以降のコスト軽減に充てる事は出来ない。
次に、元となった《超神星DEATH・ドラゲリオン》のようなメテオバーン能力。
元祖と違い、墓地に置く進化元は1枚で済む代わりに、マイナス修正は相手1体だけに限定されている。
一見すると使いやすくなった代わりに対象範囲が狭くなった、という感じに見えるだろう。
しかし、このクリーチャーの最も特筆すべき点は、このメテオバーン能力の終盤にある。なんと、進化ではないクリーチャーを1体、墓地から蘇生させることができるのだ。
即ち、メテオバーン能力で墓地に送ったクリーチャーを、バトルゾーンに呼び戻す事が可能なのである。
低コストで高打点を形成し、相手のクリーチャーを除去しつつ、墓地の大型を踏み倒す。まさに、フィニッシャーとして申し分ないカードなのだ。
これほど強烈なカードを前にして、デッキを考えない手は無い。
考えない手は無いのだが、このカードを使った、ほぼ”解答”に近いデッキが既に生み出されている。
私は貝になりたくない
少し時を遡って、この《DOOM・ドラゲリオン》の情報が公開された日。
この日、数多のプレイヤーが使い方を考えている中、私はある能力に注目した。
それは、「超無限墓地進化」という能力だ。
歴代でも数枚のカードしか持たないこの能力は、進化元のカードがバラバラでバトルゾーンに残る裁定の頃、大量のクリーチャーを退化で踏み倒すという事に使われていた。
環境入りこそしなかったものの、その動きは非常にロマンに溢れていたものだ。
スター進化クリーチャーの登場と共に裁定が変わり、進化元は一番上のカードだけが残る(下のカードは重なったまま)事となったため、この動きは不可能となったが、何か使い道が無いか、改めて探してみる事にしたのだ。
《ナウ・オア・ネバー》+《エンド・オブ・ザ・ワールド》によってデッキのクリーチャーを全て墓地へ送り、それを進化元にしたうえで、退化させる。
胸ポケットに入れておけば銃弾すら貫通出来ないような分厚いクリーチャーが誕生し、それで対戦相手を捻じ伏せることは、これ以上なく甘美な勝利となるであろう。
とはいえ、普通に退化するだけであれば、最近まで環境に居た墓地退化で事足りてしまう。
「超無限墓地進化」を利用するのであれば、下のカードが残るという点を活かせる組み合わせを考える必要があるのだ。
進化元が残るという点に注目すると、メテオバーン持ちのクリーチャーへ退化するという動きを最初に思いつくだろう。
しかし、これだけではゲームを終わらせる事は出来ない。
大量に墓地を増やして《DOOM・ドラゲリオン》を出し、そこから退化させるという下準備をするのだから、もっと強烈にゲームに関わる動きが欲しい。
メテオバーン持ちは確かに何種類かあるが、いずれもゲームを直接終わらせる事が出来るカードではない。
唯一、《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》はゲームを終わらせるだけの破壊力を持っているが、このカードのメテオバーンは「攻撃するとき」である。
もし《DOOM・ドラゲリオン》のメテオバーンで退化させるカードを出すとしたら、既に能力がトリガーするタイミングを過ぎてしまっているのだ。
たとえば、この《DOOM・ドラゲリオン》を剥がせる最軽量の《ロイヤル・ドリアン》を使うとしても、《DOOM・ドラゲリオン》と一緒に、両方を1ターンでバトルゾーンに出す必要が出てくる。
これは現実的では無い。墓地を増やしたうえで《DOOM・ドラゲリオン》を繰り出し、さらに《ロイヤル・ドリアン》を出すとなると、相当な手札調整とマナが必要である。
ここから見えてくるのは、攻撃時ではないタイミングでメテオバーン能力をトリガーさせ、しかもゲームに著しく影響を及ぼすカードが退化先の候補、という事だ。
そんなカードが存在するのか? と思って探したところ、凄い1枚が見つかった。
それがこの《マニフェスト<ファイナル.Star>》だ。
たった今ご紹介した《ペテルギウス・ファイナルキャノン》の力を受けた、チームウェイブのリーダーである。
このクリーチャーの能力は、メテオバーンでこそないものの、アタックの終わりに進化元6枚を山札の下へ送り、追加ターンをもぎ取るというものである。
物凄く贅沢なコストを支払う必要はあるが、追加ターンという莫大なリターンを得る事が出来るのだ。
そして、その贅沢なコストを超無限墓地進化を持つ《DOOM・ドラゲリオン》から退化させる事で賄おうというアイデアだ。
このアイデアが浮かんだ段階で、デッキの草案が出来上がった。
デッキリスト(仮)
あなた誰ですか?!(CV:狩野英孝
というわけで、見かけないカードが一枚あるので紹介しておこう。
《D2W2ギガスピード》は、出た時に他のカード1枚を手札に戻すクリーチャーである。
《DOOM・ドラゲリオン》から《D2W2ギガスピード》を出せば、すぐさま《DOOM・ドラゲリオン》を退化させる事が可能となるのだ。
さて、必要そうなパーツを並べ、ここから肉付けしていくわけだが、デッキの動きから自然文明の採用は必要不可欠だった。
別になくても成立はするのだが、デッキ全体の速度が足りなくなるので、環境には間違いなく間に合わない。
この速度でCSというサーキットを走ろうものなら、ラーメン屋の屋台にすら追い抜かれるだろう。
また、自然文明を採用するという事は、このカラーリングだと《天災デドダム》の採用が確定的である。
となると、自然の枚数を稼ぐ必要があるため、《ギガスピード》も《ロイヤル・ドリアン》になるだろう。
その点を元に構築を考えていた矢先、最初に紹介した《シャコガイル》型が誕生していたのだ。
さて、この《マニフェスト<ファイナル.Star>》のデッキが、《シャコガイル》に勝っている点は何なのだろうか?
デッキを組むうえで肝心な事は、既存のデッキの劣化版にならない事である。
必ずしも意識する必要があるとは言わないが、私は常に、ここだけは課題として念頭に置くようにしている。
《マニフェスト<ファイナル.Star>》へ退化するデッキが、《シャコガイル》型に優れている点は?
丸一日考えた先に出た結論は、残酷な現実であった。
無い。
何も無い。
どっからどう考えても、《DOOM・ドラゲリオン》は「私は貝になりたい」と叫んでいるようにしか思えないのだ。
いや、あのフェニックスが貝になる訳ではないが、もう実質貝になってるようなものだ。
《マニフェスト<ファイナル.Star>》へと退化し、追加ターンを取る動きは、何一つ《シャコガイル》型に勝っていない事が判明した。
という訳でこのデッキも没案にボッシュートです!
と思っていた矢先、もう一つの問題が見つかってしまった。
記事のネタが他にない。
何もない。
これまたヤバい。
いや、無い事も無いのだが、まだ形になってない。今から形にして間に合うか? いや、間に合わない(反語
真剣に頭を捻りなおす必要がありそうだった。
無い袖は振れないとか何とか言うが、《マニフェスト<ファイナル.Star>》には、この際手でも尻尾でも何でもいいから振ってもらおう。
このデッキが《シャコガイル》型と違う点は、相手に殴り掛かるという点だ。
あちらがコンボ特化なら、こちらはサブルートで、自力で殴り勝てる構築を目指せばいいのではないか?
そう思ったが、殴り勝つにはクリーチャーの攻撃性能があまりに乏しい。寝不足&栄養不足でマラソンを走ろうとするぐらい無謀なのだ。
何か良い案に繋がれば良いと思ったが、ここでも道を絶たれてしまった。やはり、このデッキに未来はないのか・・・
そう思いながら眠りについたある日、夢の中で天啓を得た。
そもそもエザワ(《エンド・オブ・ザ・ワールド》)要らなくね?????
目覚めた時、頭の中には一つのリストが出来上がっていた。
名付けてファイナルDOOM退化
デッキリスト
終末を超えて
というわけで、少し難産ではあったが、何とか《DOOM・ドラゲリオン》を使った新たな可能性を見出す事ができた。
ちなみに夢の中でアイデアを閃く事は、別に珍しい事ではない。
新しいデッキを悩みに悩みまくっているときは、夢の中でもデッキを考えているものである。
酷いときは夢の中でループ証明をしていた事もある。
まだ【カリヤドネループ】が世に出ていない頃、《オリオティス・ジャッジ》を使った【カリヤドネループ】を考えているときは、ループ証明をするという悪夢を一週間は見たものだ。
人はリラックスしているときに閃きを得やすいと言われているので、夢の中で閃くというのは、間違いでもないのだろうと思っている。
みんなも、疲れた時は寝よう。