宇宙海賊 キャプテン・ンガスロッド
「アストラルの海は〜オレの〜海〜」
「船長! なんでのんきに歌ってんですか!」
「おう! 下っ端のタゴサク! いいじゃねえか、見てみろこの広大なアストラル海を! この海を股にかけて奪って奪って奪い尽くすのが俺達海賊の仕事じゃねえか。それを思うと歌の一つも飛び出すだろう」
「いえ、飛び出しませんね」
「とびだせよ! 飛び出していこうよ! 飛び出せ! 青春!!」
「いつの時代ですか」
「それは、オレがこのノーチロイド船を手に入れ、一人前の船長としてこの海に漕ぎ出す前……」
「その話、ラブ・ファントムの前奏より長くなりますか?」
「うるせえよ!」
「船長、次の目的地はどうなってんすか」
「お前はロマンってもんがねえなぁ。このアストラルにかけるロマンってもんがよ……」
「はぁ……」
「次の獲物はなぁ、新しい次元よ」
「新しい次元ですか」
「もちろん、新しいお宝との出会いを求めてよ。この世界は一つじゃねえ、いくつもの世界が漂っているんだぜぇ。どんどん新しい世界に攻め込んで新しいお宝を奪う、それが海賊のロマンよ」
「はぁ……」
「もっと情熱を持たんといかんよ」
「明日も食っていけるならなんでもいいんですよ」
「次の世界はなあ、なんでも色々あるって話だ」
「漠然としてますね」
「豊かな自然!」
「自然……」
「羽ばたき飛行機械!」
「羽ばたき飛行機械……?」
「そんで、なんでもエネルギーに満ち溢れてるって話だ」
「エネルギーですか……」
「どうだ、腕がなるだろう。さあ、ついたぞ!!」
宇宙をお取りください、ンガスロッド船長……。(構築済み統率者デッキ改造)
みなさん、こんにちは!
最新ジョークセット、「Unfinity」が発売されましたね。
今までずっと銀枠だったのに、なんと今回は黒枠!
しかもどんぐりマークが入っていないカードであれば統率者等で使用可能ということで、新しいカードがまた統率者環境に入ってきました。
笑える効果のカード、かわいいクリーチャーたち、そして美しいイラストの基本地形やショックランドたち。
なんて素敵なのでしょうか。
ステッカーを使ったカードをデッキに入れてみたりした方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
様々な効果を生み出すカードといえばそう! 「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」だね!
バルダーズ・ゲートの戦いでは、ブースターパックの他にも構築済みの統率者デッキが発売されています。
買ったものをそのままシャッフルして、すぐに統率者戦を楽しむことができるこちらの製品ですが
遊んでいるうちに更に使い勝手を調整したい! 自分色に染め上げたい! となってくるのは必然……!
そこで今回は、10枚程度入れ替えのお手軽調整例を紹介したいと思います。
統率者:ンガスロッド船長
Captain N'ghathrod / ンガスロッド船長 (3)(青)(黒)
伝説のクリーチャー — ホラー(Horror) 海賊(Pirate)
あなたがコントロールしているすべてのホラー(Horror)は威迫を持つ。
あなたがコントロールしているホラー1体がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはその点数に等しい枚数のカードを切削する。
あなたの終了ステップの開始時に、このターンに対戦相手のライブラリーからその墓地に置かれてそこにありアーティファクトやクリーチャーであるカード1枚を対象とする。それをあなたのコントロール下で戦場に出す。
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デッキリスト
お手軽に改造を始めるなら……。
構築済みデッキを早速開封して、カードを眺めていると
「時代は変わったナァ……」と思うわけですよ。
統率者の構築済みが出始めた頃って、デッキの中にコンセプトが2つ3つ詰め込んであって
これだけ買って遊ぼうと思うと、デッキの内容がその分だけ分散されていて、勝つに勝てない状況になることが多いという印象だったんですよ。
というのも、近年のように統率者向けという製品が少なく、統率者向けのカードをなるべく多く提供したいというウィザーズ・オブ・ザ・コーストさんの優しさが詰まった結果だと思うんですけどね。
ところが、最近の構築済み統率者デッキはどうでしょう。
基本的には絞り込まれたワンコンセプトで「なんでキミここにいるの?」というカードはなく、開封してすぐに遊んでも「どうしたらいいんだ」ということがない。
ありがたい時代です。
デッキコンセプトがはっきりしていて、しかもそれが面白い。
「精神剥ぎ」のデッキは対戦相手の墓地をどんどん利用するデザインになっていて、多人数戦特有の面白さを感じることができます!
「ここから更に改造するなら」ということでまずは10枚入れ替えでデッキをチューンナップしていこうと思います。
まずはドローカード三連星。
すこぶる軽くて、使い勝手が大変良いこれらのカードを入れることにします。
構築済みデッキはそのまま使っても十分な強さなのですが、序盤の手札不足を補ってくれるカードが足りない……気がするので、青マナだけあれば唱えられるこれらのカードを入れようと思います。
《熟慮/Think Twice》だけは2マナですが、忘れた頃にフラッシュバックしてドローできるので、私は非常に好きで愛用しています。
デッキが息切れしないようにドローカードには気を使いたいところですね。
次にマナ・アーティファクト。
4人戦である統率者戦では自分のターンが回ってくるのが非常に遅く、1ターンに1つずつ置かれる土地では速度が足りません。
そこでマナ・アーティファクトを使用することで自分の状況を有利に!たくさんのマナが使えるようにします。
マナを!!
もっとマナを!!!
《太陽の指輪/Sol ring》などの基本的なマナ・アーティファクトはすでに構築済みデッキに入っておりますので、もう少し小回りの効くカードを足して、マナ基盤の補助にします。
《ストーンスピーカー・クリスタル》は私がD&D限定構築で頻繁にデッキに入れている通り非常に利便性の高いカードで
マナ・アーティファクトでありながら、いざとなったら相手の墓地に触ることができるという万能カードになっております。
デッキコンセプト的に相手の墓地を肥やすのですが、相手が同様に墓地利用を行う場合は、先に墓地を封じてしまうことができるわけです。
個別除去と全体除去を追加します。
構築済みデッキに除去のついたクリーチャーが封入されており、それらを活用すれば良いといえば良いのですが
インスタントタイミングで動けるスペルはやはり必要、という印象もあるので数枚入れ替えておきます。
《予知の力線》でインスタントタイミングで呪文を唱えられるようになるので、除去付きのクリーチャーも使えるようになるのですが
力線がない場合は使えませんし、コスト的に軽いインスタント呪文は入れておいた方が安心かと思いました。
また、どうしても手がつけられないという状況のために全体除去を入れておいた方がいいかもなと思い、《クラウドキル》を入れておきました。
そして、デッキコンセプトの補強ということで、《催眠の宝珠》を入れておきました。
相手のデッキをゴリゴリ削るということで役に立ちます。《グール呼びの鈴》でも良いかもしれません。好きなカードを入れてみてください。
終わりに
さて、今回は「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」の構築済み統率者デッキを使った構築の改造について紹介いたしました。
構築済みデッキを今回紹介したお手軽改造などで、統率者戦というゲームにぜひ挑戦していただけたらと思います。
統率者戦の100枚、基本土地以外は1枚限定という構築ルールは案外、初心者が始めるにはハードルが高い内容になっています。
しかし、この100枚が毎回違うゲーム展開を見せてくれる統率者戦というゲームの魅力をぜひ多くの人に感じてほしい!
その手始めとして構築済みデッキがあるというのは素晴らしいことだと感じています。
また、友人を誘うために貸出用のデッキを用意したい、というときにも構築済みデッキはお手軽な選択肢としてアリなんじゃないでしょうか。
今回の「精神剥ぎ」デッキは、純粋に統率者として《ンガスロッド船長》だけを使用して自分でデッキの内容を全部決めるということも出来ますので、
自分の好みに合う遊び方を見つけていただければと思います。
普段紹介しているD&D限定構築なんかもね、《ンガスロッド船長》でもできますので。
それではまた「統率者をめぐる冒険」でお会いいたしましょう。