はじめに
初めましての方は初めまして、『yk800』です。
このコラムでは、直近で話題となったデッキや筆者である私yk800が個人的に気になったデッキを紹介していきます!
今回の特集は闇単【アビス】
《アビスベル=ジャシン帝》をはじめとする新たな種族「アビスロイヤル」がデッキの大多数を占める完全新規テーマデッキで、主要なパーツが最新のスタートデッキ「邪神・フロム・アビス」と拡張パック「伝説の邪神」の内容で完結しています。
カードの入手が易しく、デッキの回し方もそれほど難しくありませんが、リソース管理がやや独特で戦略性は十分。デュエル・マスターズの面白さを存分に味わえるデッキです。
しかも、新テーマながら競技シーンで活躍しているデッキとも渡り合えるぐらいに強力! 熟練のプレイヤーはもちろんこれからデュエル・マスターズを始めたい方にもオススメです。
今回はそんな闇単【アビス】について、基礎から解説していきます!
闇単【アビス】のサンプル構築
闇単【アビス】ってどんなデッキ?
《アビスベル=ジャシン帝》
文明:闇
種族:アビスロイヤル
コスト:4
パワー:7000
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■自分の墓地にあるアビス・クリーチャーに「アビスラッシュ」を与える。(「アビスラッシュ」を持つクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、そのクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる)
■このクリーチャーが離れる時、かわりに自分の手札を2枚捨ててもよい。
■自分の墓地にあるクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
ご覧の通り、わずかコスト4のクリーチャーながらこれでもかというぐらい能力が盛り盛り。
W・ブレイカー、ブロッカー、パワー7000といった基礎スペックの高さにまず驚きますが、もちろん持っている能力も切り札の名に恥じません。
墓地のアビス・クリーチャーに「アビスラッシュ」を付与する能力と、墓地のクリーチャーを召喚するコストを2少なくする能力は基本的に2つで1セット。
早い話が、墓地にあるアビスクリーチャー全てをコストが2少なくして召喚できる能力です。
この2つの能力が闇単【アビス】を闇単【アビス】たらしめるキーコンセプト。アビスラッシュを介して召喚したクリーチャーはターン終了時に山札下に戻るかわりに、召喚酔いせずにプレイヤーを攻撃できます。
コスト軽減によって少ないマナからでも大量のアビスを召喚できるため、1ターン生き残るだけで次のターンにはゲームに勝ち切るほどの打点を叩き込めます。
カードゲームの世界には「墓地は第二の手札」なんて言葉もありますが、《アビスベル=ジャシン帝》を着地させた後の闇単【アビス】では、「墓地は第二の手札」どころか「墓地が第一の手札、手札は第二の選択肢」とでもいうべき状況が頻繁に起こります。
そんなとんでもない常在型能力を持つ《アビスベル=ジャシン帝》。相手からすればできる限り早く除去したいところですが、バトルゾーンを離れるときに手札を2枚捨てて耐える能力まで持っているため高い生存力を有しています。
さらに言えば、この除去耐性はブロッカーとして相手の攻撃を受け止めてバトルに負ける際にも使えるため、ビートダウンへの耐性も確保できます。
手札2枚は決して軽いコストではありませんが、先述した通り《アビスベル=ジャシン帝》にかかれば手札を捨てることによるリソース面へのダメージはほとんどありません。
能動的に墓地を増やせるわけではないものの、相手の除去や猛攻を受け流しながら効率良く手札のアビス・クリーチャーを捨てられるのです。
ただでさえ強力なそれぞれの能力が、噛み合わせの良さでも高水準。新シリーズの幕開けにふさわしい切り札だと言えるでしょう。
このように、多彩な能力で闇単【アビス】のメインエンジンとして君臨する《アビスベル=ジャシン帝》。
デッキの性質上どうしても依存度が高いことがネックとなるため、このクリーチャーをなんとしてでも4ターン目までに出せるようにいくつかのアクセス手段が用意されています。
その代表格が《邪侵入》と《フォーク=フォック》。
3ターン目にこれらの「墓地を肥やしながら《アビスベル=ジャシン帝》にアクセスできるカード」で準備を整え、4〜5ターン目以降にアビスラッシュを連打して猛攻を仕掛けていくのがこのデッキの基本スタイルです。
《深淵の三咆哮 バウワウジャ》や《テブル=ザザーム》、はたまた2枚目以降の《アビスベル=ジャシン帝》など、軽量・高打点クリーチャーには事欠かないため、概ね《アビスベル=ジャシン帝》が着地した次のターンにはゲームに勝ち切れるだけのクリーチャーを確保できると考えて問題ありません。
フィニッシュターンは基本5ターンと現在の基準ではそれほど速いデッキではありませんが、《深淵の三咆哮 バウワウジャ》や《アビスベル=ジャシン帝》などの除去耐性を持ったクリーチャーを並べやすく、仮に《アビスベル=ジャシン帝》が除去されて受け切られたとしても元からアビスラッシュを持っているクリーチャーたちを後詰めに回せるため、動き出した際の決定力はかなりの高水準。
ブロッカーや受けトリガーも豊富に有しているため早いデッキとも十分戦えるなど、幅広いレンジのデッキに対応できる骨太なデッキです。
デッキの主要パーツのほとんどが「アビス」単独で完結しているものの、他のカードを入れても大きな問題はありません。墓地利用に長けた闇文明の強力なカードを受け入れる度量があるのも、見逃せないデッキの強みでしょう。
弱点はほぼ1点。墓地利用が咎められれば、非常に動きが窮屈になります。
特に《若き大長老 アプル》への対処は必須事項だと言えるでしょう。墓地リセットも有効ではありますが、墓地を貯め直す速度も早いため、それ以上に直接アビスラッシュを止められる方がダメージは甚大です。
受け札として現環境トップクラスの性能を有する《秩序の意志》、クリーチャー面も除去トリガーも役割を持てる《龍頭星雲人/零誕祭》、墓地利用メタクリーチャーを除去できるクリーチャーでありつつ下面が《アビスベル=ジャシン帝》へのアクセスにも貢献する《龍装鬼 オブザ09号/終焉の開闢》などが現時点でも採用例が多いカード群です。
闇単【アビス】に採用されるカードについて
アビスロイヤル版《福腹人形コダマンマ》。
シールドを手札に加える効果でリソースを広げられるため、手札に3マナ域のカードがない場合に引き込むカードとして重宝します。
また、このクリーチャーもアビスラッシュを持っています。
打点としての運用はもちろん、このクリーチャーはシールド回収能力も持っているため、手札がない状況からでも墓地から召喚して強引にリソースを取りにいけるところが最大の魅力です。
《秩序の意志》など、S・バックを持つカードとコンボを形成できる点も強力。
コスト3のクリーチャーに墓地肥やしと墓地回収がくっついた、アビスロイヤルの潤滑油。
コストパフォーマンスが非常に高い代償として墓地回収はアビス限定ですが、それでもお釣りが来るほどの高効率です。
また、このデッキは5ターン目に《深淵の三咆哮 バウワウジャ》や《アビスベル=ジャシン帝》といった4コス域のハードパンチャーをアビスラッシュした際に、あと1マナが余りがち。《アビスベル=ジャシン帝》下で1マナになるコスト3の利点は見た目以上に大きいです。
墓地肥やし能力は任意で、なおかつ墓地を肥やしたあとの回収も任意です。墓地にあってほしいカードしかない場合はあえて回収しない選択肢を取れることも覚えておきましょう。
ただし、「墓地肥やしをせずに回収だけする」ことはできないので要注意です。
3マナの呪文でありながらコスト4までのアビスを踏み倒せる、超強力なアビス専用呪文です。
強力な4マナ域のアビスを1ターン早く展開できるのはもちろんのこと、墓地肥やし枚数の面でも《フォーク=フォック》を上回る4枚。
また、近年主流となっている「そのカードの能力で墓地に置いたカードの中」から選ぶタイプではなく、すでに墓地にあるカードも踏み倒せる点が非常に優秀です。
シビルカウント2によってS・トリガーを得るおかげで、相手ターン中に《アビスベル=ジャシン帝》などを踏み倒してブロッカーを用意することもできます。
《悪灯 トーチ・トートロット》もシビルカウントにより強化されるため、ビートダウンデッキ相手には軽量クリーチャーを積極的にバトルゾーンに置いておくのがオススメです。
闇単【アビス】の主役であり、新シリーズ「デュエル・マスターズWIN」のキーパーソンでもある新たなクリーチャー。
先述したように高い基礎スペックと新種族カテゴリ「アビス」に関連する大量のメリット能力を持っており、新主人公の切り札となるにふさわしい強力なカードです。
《アビスベル=ジャシン帝》の軽減能力は複数体並べば重複するため、2体目以降を出すことにもメリットがあるのは是非とも覚えておきたいポイントです。
デッキのほとんどのアビスを1マナでアビスラッシュできるようになり、決定力がさらに高まります。
闇単【アビス】における最強のアタッカー。
何もない状況ではタマシード、条件を満たすとタマシードでもクリーチャーでもあるカードになる「タマシード/クリーチャー」というカードタイプを有しています。
条件を満たさないと攻撃に参加できない点がデメリットとして課せられているものの、4マナを支払って召喚するうえではむしろ除去されづらいことがメリットにもなりえるため一長一短です。
気になる性能はというと、コスト4でパワー13000、T・ブレイカーを持つブロッカー。登場時に山札の上から4枚を墓地に置き、クリーチャー化すれば攻撃時に相手のクリーチャーを1体破壊します。
ここまでだけでも十分強いのですが、最も重要なのが自分のターン中破壊以外でバトルゾーンを離れない能力です。
これによって《アビスベル=ジャシン帝》で付与されたアビスラッシュを用いて墓地から召喚しても、ターン終了時に山札の下に帰らずバトルゾーンに残り続けてくれます。
もちろんバウンスやマナ送りによる除去を受け流す上でも有効。T・ブレイカーという打点の高さと合わせて、闇単【アビス】の詰め性能に貢献してくれます。
相手ターン中にトリガーした《邪侵入》で出して高パワーブロッカーとして機能する点も強く、攻撃的でありながら防御面でも活躍してくれる頼れる番犬です。
コスト4と比較的軽量ながら、範囲が広くトリガーまで持っている優秀な除去要員。
「墓地の枚数より小さいコストを持つクリーチャー」という条件がありますが、自身が3枚墓地を肥やせるうえに序盤から積極的に墓地を貯めていくデッキであるため、3〜4ターン目にはコスト7〜8あたりの範囲が射程圏内に収まることもザラ。
中盤以降は実質的に確定除去として運用できるだけのパワーを秘めています。
トリガーとして強力なのはもちろん、コストのおかげでメタクリーチャー除去にも十分に対応できるのが墓地メタに弱い闇単【アビス】にとって嬉しいポイントです。
クリーチャーであるためシビルカウントにも貢献しやすく、《邪侵入》で出してテンポよく相手のクリーチャーを除去するパターンもあり、総じて取り回しの良いカードだと言えるでしょう。
シビルカウントを達成すれば最大3面が同時に止まる、このデッキで最高峰の防御トリガーです。
直接的な除去とブロッカーを合わせ持つため完全なケアがやや難しく、ビートダウンデッキに踏ませれば最低限の仕事はこなしてくれるでしょう。
攻撃後に破壊される能力はデメリットかと思いきやアビスラッシュ付与との相性が良く、ターン終了時に山札の下に行くデメリットを帳消しにしてくれます。
「墓地利用デッキといえば!」という存在になりつつある大型クリーチャー。
墓地からの展開を封じ込められても《龍頭星雲人》を出してハンデスし、逆に戦況をコントロールする動きはサブプランと呼ぶにはもったいないほどの破壊力。
《深淵の三咆哮 バウワウジャ》と合わせてゆっくり盤面を形成し、終盤一気に打点を叩き込む展開で、《アビスベル=ジャシン帝》の墓地召喚に頼らない動きを可能にしてくれます。
下面の《零誕祭》は無難ながら使い道の広い確定除去トリガー。シビルカウントとの噛み合わせはよくないものの、やはりあるとないとでは大違いです。
コスト4と軽いためメタクリーチャー排除に使える点も◎。
闇単【アビス】は墓地肥やし速度が非常に早く、特に《邪侵入》が絡めばほぼ確実に《龍頭星雲人》を4ターン目に召喚できます。防御トリガーとサブプランの両方を同時に賄えることもあり、アビス以外のカードの中でもトップクラスに採用したいカードです
こちらも、闇文明が現在のデュエル・マスターズで強い理由の一助となっている定番除去呪文。
「選ばれない」以外のほとんどの除去耐性を無視して相手の動きを封殺できる点が強く、スター進化やEXライフ、そして闇単【アビス】ミラーの《アビスベル=ジャシン帝》に対しても有効なカードです。
確実性の高い受け札としてキープしておけばビートダウンに強く出られる点はもちろんですが、闇単【アビス】においては《スプーン=ンプス》で回収するシールドを捨てて実質2マナでプレイできる点も見逃せません。
《スプーン=ンプス》はアビスラッシュでプレイできるため手札に2枚を揃える必要もなく、手軽に除去を撃つ手段として便利です。
闇単【アビス】は手札を増やす手段に乏しいため常に抱えておくのは苦手なものの、それでも採用する価値があるカードです。
おわりに
というわけで今回は闇単【アビス】について解説していきました。
《アビスベル=ジャシン帝》は本当に惚れ惚れする強さで、使っていて非常に楽しいカードです!
必須級ともいえるカードはそれほど多くないため拡張性がかなり広く、最も取り回しの良い闇単はもちろん、他の文明を足してアレンジしてみるのも面白いテーマです。
筆者はとにかく3ターン目に《邪侵入》が撃ちたすぎるため、水文明のドローソースを足した構築で遊んでいます。
現時点でも十分強力ですが、今後の強化が見込める点も魅力的。現時点で登場しているカードたちはすべてアビスロイヤルですが、アビスサポートは例外なく「アビス」という種族カテゴリを対象にしているため、おそらくアビスロイヤル以外の「アビス」も登場してきそうです。
今のうちにアビス関連の知見を深めておくと、今後役に立つ場面が多くなるかもしれませんね。
それでは、また来週お会いしましょう。お相手はyk800でした! 記事が面白かったらぜひTwitterでのシェアをお願いします!