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2022.5.22

【第14章】歴史は繰り返せるのか | プラズマの未開地探求録

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【第14章】歴史は繰り返せるのか | プラズマの未開地探求録

過去との取り組み

目次

歴史から見る法則

デュエル・マスターズの歴史を紐解くと、ある”流れ”が存在している。


その”流れ”とは、自然・闇や水・闇で出現したデッキは自然・水・闇という3色に落ち着く、というものである。


全てのデッキがそうではないが、この”流れ”に沿ったデッキは少なくない。


最近の例で言えば、ジョー星ゼロルピアや墓地退化が該当するだろう。

また、過去の例で言えば黒緑デッドゾーン。さらに昔で言えば黒緑ドルバロムもこの3色のデッキに落ち着いたように記憶している。


この”流れ”が事実であれば、つい最近見る事になったあのデッキもその例に倣うのだろうか。


そのデッキとは、水闇魔導具である。


つい先日発売された、”開発部セレクションデッキ”の1つである水闇魔導具

もしかしたら、このデッキにも自然文明を加える事で更なる高みに登れるのではないだろうか?


いや流石に無いやろ、と頭ごなしに否定するのは簡単である。


しかし、私もデッキビルダー。

万が一という事も考えられるのであれば、一度は真面目に考えてみるべきだろう。

大自然の力

まず、水・自然・闇の3色にするメリットは何か。


この3色の特徴として、アドバンテージの獲得が得意だという事が挙げられる。


マナ加速によるアドバンテージ

手札補充によるアドバンテージ

相手への妨害によるアドバンテージ

それら全てを兼ね備えたのがこの3色である。


残る2色は、火はアドバンテージというより速度を重視し、光も平等性を重視した色であるため、アドバンテージを稼ぐというより「相手との差を埋める」という事を重視している。

故に、この2色はアドバンテージの獲得が、他3色に比べると苦手なのである。


水・自然・闇のうち、いずれか2色でもアドバンテージの獲得は得意だが、3色全てを揃えることであらゆるゾーンへのアクセスが可能となり、より質の高いアドバンテージを獲得できるのである。

これが3色に落ち着く要因だと思われる。


では、魔導具の場合はどうだろうか。


魔導具は、闇魔導具は墓地を、水魔導具は手札をリソースとして使う事が多いデッキである。


この2つには、マナをリソースにするという概念が無い。

つまり、マナを利用できれば更なる強化を見込める・・・ような気がする。


さて、この3色といえば、あのカードが存在している。みんな大好きな、あのカードだ。

《天災デドダム》だ。


この3色なら、入れない手は無い。

手札を減らさず、マナを増やし、盤面に残りつつ、墓地まで増える。

そしてなんといっても、一気に3枚も山札を掘り進めることが出来るのだ。


魔導具は、墓地や手札をリソースとする。

つまり、このカードも相性がいいのではないだろうか?


しかし、このカードを3ターン目に出すとなると自然のカードは最低でも15枚程度は欲しいところである。


果たして、魔導具に自然のカードを15枚も入れるスペースがあるのだろうか?


冷静に考えてみて欲しい。

魔導具デッキでは、少なくとも25枚以上の魔導具が入っている。

これは魔導具に軸を据えたデッキであるため、魔導具の枚数を極力多く取りたい為である。


自然のカードを15枚も入れると、魔導具+自然のカードだけで40枚に到達してしまう。


よって、魔導具を軸としたデッキに自然文明を入れるとなると、自然のカードは極力少なくする必要がある。

言い換えれば、デッキの軸となる文明には出来ない、という事だ。


では、魔導具デッキに入り得る自然文明(あるいは、自然文明を含むカード)が無いかを考えてみよう。


デッキの軸となる文明にはならなくとも、少ない枚数で運用できる方法であれば採用は可能である。


となると、採用できるカードは大型のフィニッシャー、特に魔導具が苦手とする相手へ対処できるフィニッシャーを採用する事が考えられる。


自然文明で大型のフィニッシャーとなるカードはいくつか考えられる。

《ブラキオ龍樹》《古代楽園モアイランド》だ。


前者は膨大なマナを要求するが、無月の門で踏み倒した大型クリーチャーをコストにフシギバースすれば、難なく出す事は可能だろう。


後者に関しては、普通にコストを支払う必要こそあるものの、《蝕王の晩餐》《卍月ガ・リュザーク卍》に打つ事で踏み倒す事が可能だ。

あるいは《ブラキオ龍樹》によってドルスザクをマナに送り、増えたマナで出す方法も検討出来るだろう。


さて、良い感じに方向性が見えたところで、これらを踏まえてデッキにしてみよう。

自然魔導具

4

4

4

3

4

4

2

4

2

3

2

4

という訳で、作ってみたリストがこちらである。


メインのギミックは、無月の門によって出した大型ドルスザクを《ブラキオ龍樹》のフシギバースでマナへと送り、増えたマナを使って《モアイランド》を繰り出す、というものである。


この2体が揃ってしまえば、相手はほとんどの対抗手段を失った状態でこちらの攻撃に対処しなければならなくなる。

そうなったら、勝利は目前である。


《不死鳥縫合ブラック・ビッグバン》は、魔導具が抱える永遠の課題である山札切れを無視してくれる、相性の良いフィニッシャーである。


山札が無くなっていると、ターン開始時に墓地から魔導具を釣り上げてくれるため、延々と打点を確保し続ける事が可能になるだろう。

当然、大型のフィニッシャーを釣り上げるという役割も担っている。

墓地に落ちた《モアイランド》を拾う手段は無いが、これで釣り上げる事も視野に入れる事が可能である。


なお、課題として、タマシード関連のトリガーは止められないため、注意が必要である。

結論

色々と試行錯誤してデッキを作ってみたものの、やはり魔導具デッキに自然文明を入れる事は難しい、という結論に至った。


最初に述べた通り、自然・闇や水・闇のデッキは、自然・水・闇のデッキに落ち着く事が少なくない。

しかし、それは構築の自由度がある程度広い場合に限った話である。


魔導具デッキは、デッキに魔導具を多く入れる必要があるという構築上の制限が発生する。

そのため、他の文明を入れる余裕があまり無いのだ。


歴代のデッキを見た中で気付いた、ある”流れ”。

しかし、これは必ずしも全てのデッキに当てはまるものでは無い、という事だ。


これは、逆の場合も言えるだろう。


自分が知っていたものが、実はデッキの構築を縛っている事もある。

デッキの構築に行き詰った時は、考えを縛っている”流れ”を断ち切り、思い切った改革をしてみる事も大切だ。

過去の流れを取り入れるのも、逆に排斥する事も、進歩する為には大切な事である。


その結果、試してみたことが間違いだったとしても、そこから得られるものは必ずある。


そういうことを積み重ねていって、デッキというものは進歩していくのである。

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このコラムのライター

プラズマ

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