デュエマの世界へプレインズウォーク
デュエル・マスターズへようこそ
デュエル・マスターズの最新弾、”パラレル・マスターズ”が発売されました。
テーマは「デュエマの過去、現在、そして”もしも”の世界や未来」といった、今までにありそうでなかったものとなっています。
そして今回、デュエル・マスターズの源流ともいうべきマジック:ザ・ギャザリングとのコラボカードも大量に収録されています。
その数なんと、12種類!
マジック:ザ・ギャザリングとのコラボとしては過去最大級となっております!
その理由は公式HPでも語られている通り、デュエル・マスターズの漫画が当初はマジック:ザ・ギャザリングを扱っていたことに起因します。
実際、新規収録されているコラボカードは漫画で活躍したカードが多く選ばれています。
というわけで今回は、コラボで収録されたカードたちをご紹介したいと思います。
デュエル・マスターズ世界での姿
今回紹介する枚数が12枚と多いため、何枚かを取り上げて紹介したいと思いました。
思いましたが、どれも紹介するに十分値するカードだったので、もう全部紹介します!
結構な長旅になるかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
ちなみにカード画像は
上(PCだと左側)にデュエマの画像
下(PCだと右側)に元となったマジック:ザ・ギャザリングの画像
でご紹介いたします。
デュエル・マスターズの漫画において、主人公である切札勝舞の初期のエースとして登場したクリーチャーが、デュエル・マスターズのTCG世界に降り立ちました。
スペックは、ほぼそのまま。
エコー(出した次のターン、もう一度コストを支払わないといけない)も再現されています。
ただ、デュエル・マスターズには1コストのアタッカーは他にも存在しており、どれもデメリット持ちであるものの、このカードのデメリットはその中でも重い方に当たります。
このカードがどれだけ既存のデッキで活躍できるかは未知数ですが、マジックの当時の環境ほどの脅威では無いかもしれません。
とはいえ、1コストのアタッカーという貴重な存在である事には違いないので、秘めたる可能性は無限大です。
主な使い道としては、1コストの革命チェンジ元としての運用がメインになりそうです。
速攻ではエコーコストが重荷となるため、他の1コストクリーチャーに枠を譲る事になるでしょう。
マジックの方では、今なお統率者戦というフォーマットで人気のカード、スリヴァーの女王。
そんなカードもデュエル・マスターズの世界に堂々登場です。
デュエル・マスターズの漫画ではヴァンガードという特殊ルールで戦う、邪藩牛次郎のヴァンガード・カードとして登場しました。
(ヴァンガード・カードは今回のカードと効果が別)
マジックの≪スリヴァーの女王≫と同じようにマナを支払って、手札を消費することなく盤面の展開が出来る能力を有しています。
その方法は、前代未聞、超次元ゾーンのクリーチャーを直接コストを支払って召喚するというもの。
サイキック・クリーチャーやドラグハート・クリーチャーはコストが重い物が多いイメージがありますが、軽量のクリーチャーも結構な数存在しているため、それらを主に運用する事になるでしょう。
また、他の自軍をスリヴァー/サバイバー化させる能力も有しており、サバイバーデッキに潜ませれば、出てくるサイキックやドラグハートもその恩恵を受けさせることが可能になります。
ちなみに、マジックにおけるスリヴァーはデュエル・マスターズにおけるサバイバーのような存在で、個々の能力を他のスリヴァーに分け与えるデザインとなっています。
恐らく、サバイバーの元がスリヴァーなので、今回の登場でサバイバーとシナジーするのもそういう事なのでしょう。
女王が居れば、その配下となるカードも存在します。
まだデュエル・マスターズの漫画の題材がマジックだった時代、この《筋肉スリヴァー》も切札勝舞の使うカードとして登場しました。
スリヴァーとサバイバーのパワーを1000上げる能力は、マジックの方で持っていたスリヴァー強化そのものです。
ただ、デュエル・マスターズではパワーと打点は別のステータスとなるため、デュエル・マスターズでは使い勝手がかなり違ってきます。
(マジックの場合、各プレイヤーにライフが設定されており、パワーを上げることはライフに与えるダメージがそのまま増えることを意味します)
とはいえ、サバイバー全軍強化として長年存在した《威嚇するスマッシュ・ホーンα》よりコストが1軽い事を考えれば、非常に優秀です。
優秀なのですが、一つ注意点としてこのクリーチャーはサバイバーではありません。
サバイバーを強化しますが、このクリーチャー自身はサバイバーの恩恵を受ける事が出来ないので、注意が必要です。
パワー表記こそ1000ですが、出てしまえば+1000されるので、実質的には2コスト2000のクリーチャーとして運用が可能です。
サバイバーのデッキに入れるかどうかは、デッキと相談といったところでしょう。
通称バッパラ(Birds of Paradiseの略称)。
マジックでは「見たら焼け」と言われるほど超優秀なマナ・バードが、ついにデュエル・マスターズにも登場です。
ですが、さすがに1コストでは許されなかったためか、コストは2に修正されています。
もし1コストだったら、2ターン目に《天災デドダム》が出てくるところでした。
さすがに、やり過ぎです。
マジックと同じく、そのままでは打点としては機能しませんが、どの色(文明)のコストにも充てられて、飛行によりブロックもなんとアタックも回避できます。
アタック回避が実は超優秀で、システムクリーチャーの弱点であった「マッハファイターによる殴り返し」を回避してしまいます。
昨今は軽量のマッハファイター持ちが多く(《Disノメノン》《虹速ザ・ヴェルデ》など)、この耐性は有用です。
何よりタップ状態でも殴り返しがほぼ皆無なので、能力や呪文で除去されない限り、相手は容易に触ることが出来ないでしょう。
また、シールドをブレイク出来ないだけで、クリーチャーやプレイヤーにはアタック可能な点も覚えておきましょう。
いざとなったら、パワー1000のクリーチャーと相打ちも出来るのです。
一見すると地味なカードに見えるかもしれませんが、秘めてるポテンシャルは、マジックに引けを取らないレベルだと思います。
ちなみにいつ漫画で登場したかというと、なんと最初の黒城戦で黒城が出したクリーチャーです。
出てきた瞬間、焼き鳥にされていました。
デュエル・マスターズの漫画において、名勝負として語られることの多い神殿編の牛次郎戦。
その勝負のカギとなったのが、この《ウルザの激怒》です。
マジックの方に搭載されていた”打ち消されない”は”唱えられなくする効果を無視する”に変更され、限りなく近い性能になっています。
そして何よりキッカーコストで唱えた時の威力は絶大。
あの《インビンシブル・フォートレス》より1コスト軽いにも関わらず、3000火力とシールドの3枚焼却が可能です。
唱えられなくする効果を無視するため、《聖魔連結王ドルファディロム》が居たとしても、そのEXライフを吹き飛ばす事が可能です。
普通に使っても、3コストで3000火力と無難な性能となっています。
フィニッシャーとして採用した場合でも、序盤で軽量除去として活用できるのはとても便利ですね。
最初にも書いてますが、この牛次郎戦の終盤、《ウルザの激怒》をめぐるカウンター合戦は手に汗握る最高の戦いなので、未読の人は是非読んでみてください。
こちらも切札勝舞が初期に使用していたカードです。
途中、神殿編の序盤で止む無く手放す事になったカードですが、それまではエンドカードとして活躍していました。
特に黒城戦では、盤面をひっくり返す大活躍も見せています。
そんなカードもデュエル・マスターズで、マジックの効果を非常に忠実に再現しています。
《地震》は、赤+X(Xは好きな数)だけコストを支払い、飛行を持たないクリーチャーとプレイヤーにダメージを与える効果です。
地震という現象は地面に接する生き物に影響がある現象なので、飛んでいる(飛行を持っている)クリーチャーには効果がありません。
こういう細かいフレイバーが良いですね。
マジックでは初期ライフが20なので、おおよそダメージ4点がシールド1枚分換算となります。
そのため、この《地震》も、支払ったコスト4につき1枚、お互いのシールドをブレイクする事が可能です。
さすがに2枚ブレイクする事は難しいでしょうが、1枚程度であればかなり現実的な数値になるでしょう。
パワー4000以下を全て破壊しながら、お互いのシールドを1枚ブレイクするという呪文は他に無いので、何らかの使い方で活躍は見込めるでしょう。
初代黒城の切札も、デュエル・マスターズに堂々参戦となりました。
効果を簡単に説明するなら、墓地とバトルゾーンのクリーチャーを入れ替える、というもの。
ただし、入れ替えるというテキストではなく、墓地はいったん超次元ゾーンを経由します。
少し変わった挙動ですが、これはマジックの方の≪生ける屍≫に準拠した動きになっています。
この動きで注意する事は、墓地のカードは直接バトルゾーンに出ている訳では無いという点です。
そのため、《暴毛猫ギリゾンビ》のような墓地からバトルゾーンに出た時の能力がトリガーしません。
マジックと違う点としては、破壊扱いなので、破壊されないクリーチャーがバトルゾーンに残る点です。
デュエル・マスターズには”生け贄”という概念が無いため、除去性能は元祖に若干劣ります。
(マジックにおいて”生け贄”は、破壊されないカードすら墓地に送り込む手段となります。)
とはいえ、それでも強烈なカードなので、非常にロマン溢れるカードと言えます。
是非、使ってみたい一枚ですね。
デュエル・マスターズには土地という概念がありません。
全てのカードがマナとして扱えるため、土地という概念が必要無いからです。
そんなゲームにも関わらず、あのパワー10と呼ばれる《Library of Alexandria》が登場です。
能力も、元の《Library of Alexandria》と同じです。
手札7枚ちょうどの時に、これをタップして1枚ドローというもの。
マジックは初期手札が7枚のため強烈無比なカードですが、初期手札が5枚のデュエル・マスターズでは、果たしてどうでしょうか。
また、デュエル・マスターズにおいて、土地はバトルゾーンに置けないカードです。
そのため、バトルゾーンにあるカードタイプを参照する際は土地を参照する事がありません。
実質的にマナ以外として使い道がないというのも、少し向かい風に思えます。
とはいえ条件が整えば、継続的に手札を補給し続ける点は変わらず強力です。
今後、バトルゾーン以外のカードタイプ数を参照するカードが増える場合は、採用の余地はあるでしょう。
なんとこのカード、漫画デュエル・マスターズで一番最初にプレイされたカードでもあります。
ここから先は過去にコラボされた再録枠になります。
その先鋒としてご紹介するのが、この《ブレイン・ストーム》です。
マジックでは≪渦まく知識≫というカード名ですが、その英語名は「Brain Storm」とデュエル・マスターズと同じカード名です。
《極楽鳥》と同じくコストが1増えていますが、その効果は同じです。
あとは、インスタントタイミング(相手のターンなど、もっと自由度の高いタイミング)で使えなくなっています。
過去にブレストドラグナーなどで採用された実績があるなど、デッキトップを使ったデッキとの相性は抜群。
今後も活躍の機会があるでしょう。
マジックでも、レガシーやパウパーというフォーマットで活躍したりしています。
あちらは相手のターンでも使えるため、手札破壊を回避したりとかなり器用な使い方が可能となっています。
通称「神ジェイス」。
マジックでは、登場した当時のスタンダード環境において、圧倒的な強さを誇った一枚です。
その強さは大会のベスト8での使用枚数が32枚だったほど。
つまり、ベスト8のデッキ全てに4枚ずつ入っていたという事です。
さすがに、その強さそのままデュエル・マスターズに来る事は許されず、クリーチャーとして元のジェイスを可能な限り再現したカードとなっています。
出来る事は、出た時に《ブレイン・ストーム》と同じ効果を発揮する事とアタック時に相手1体を手札に戻す事。
マジックの≪精神を刻む者、ジェイス≫に比べると、《ブレイン・ストーム》効果が1回しか使えないうえ、手札に戻すにもアタックする必要があるなど、かなり調整されています。
クリーチャーであるという点を上手く使えば、環境での活躍も見込めるでしょう。
実際、一瞬だけ使われた事があったように記憶しています。
マジック:ザ・ギャザリングとのコラボカードの中で、最もデュエル・マスターズで暴れているカードといえば、この《ニコル・ボーラス》でしょう。
出た時に相手の手札を7枚も奪い取り、アタックするたびに相手のクリーチャーを1体破壊する能力。
マジックの方の≪プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス≫と≪ニコル・ボーラス≫の能力を、足して2で割ったような能力です。
デュエル・マスターズでは超優秀なドラゴンとして有名ですが、元祖マジックの方では巨悪として名高い存在です。
1万歳を超える年齢に、数々の次元を手中に収める知略、数多のプレインズウォーカーを葬ってきた実力を誇る最強のプレインズウォーカーでした。
そんな圧倒的なカリスマに多くのプレイヤーが魅了され、今なお根強いファンが多いお方です。
貪欲に力を求めた結果、ジェイス含めたプレインズウォーカー達の力により長きに渡る作戦を失敗させられ、今は誰にも知られる事無く、幽閉されています。
必殺技は、≪残酷な根本原理≫。
ちなみに今回はマジックの旧枠での収録なのになぜ一番最初の《ニコル・ボーラス》ではないのか? という意見があると思います。
初期の《ニコル・ボーラス》はまだプレインズウォーカーでは無いので、デュエル・マスターズのボーラス様とは違うから、でしょう。
マジック:ザ・ギャザリングの黎明期、フィニッシャーとして重宝された天使です。
デュエル・マスターズではターンの終わりにアンタップする能力ですが、マジックの方では攻撃してもタップしない能力です。
(マジックは攻撃タイミングが一度しか無いので、連続して攻撃するような事はできません。)
そのため、攻撃しつつ守りも固められるという、とても優秀なクリーチャーでした。
特に飛行能力によって簡単には攻撃を止められないというのも、フィニッシャーとして優秀な点の一つです。
この飛行はデュエル・マスターズでも採用されており、飛行を持たないクリーチャーにアタック・ブロックされることがありません。
先に述べた《極楽鳥》と同じく、マッハファイターで攻撃される心配がないので、多少の除去耐性は持っている事になります。
黎明期から存在する、マジックを代表するカードの一つと言えるカードです。
カードゲームをやってない人でも名前は聞いたことがあると言われるほど、有名なカードです。
一時的とはいえ0コストで3マナ分のマナ加速が出来るのは破格の性能です。
マジックではヴィンテージ以外で使えるフォーマットがほぼ皆無ですが、それでもコレクター性の高さなどから他の追随を許さぬ希少性を誇っています。
デュエル・マスターズでは調整され、どちらかというと≪睡蓮の花≫と同等のスペックに落ち着いています。
とはいえ、一時的に3マナ分のマナ加速が出来るので、うまく使えば強烈な一撃を叩き込むことが出来るでしょう。
また、封印というギミックが組み込まれている点に注目し、封印を利用したコンボにも採用してもいいかもしれません。
今までは入手が難しいカードでしたが、今回の再録で入手しやすくなったカードなので、色々と試してみる価値はありそうです。
そして何より、イラストが非常に綺麗なので、コレクションにも良いでしょう。
マジックでは「出せば勝ち」を体現した、史上最強のクリーチャー。
デュエル・マスターズでは諸々の性能が危惧されたのか、ある程度調整されての収録となっています。
追加ターンにより事実上のスピードアタッカーを持ち、一度アタックすれば相手に甚大な被害を与えていくうえ、飛行によりブロックやアタックも許しません。
とはいえ除去呪文は通用するので、シールド・トリガーや返しのターンに何とかするという事は可能です。
調整された点は《ウルザの激怒》のような打ち消されない能力と、プロテクションという除去耐性を失っています。
その代わり、エターナル・Ωにより使い回しが楽になっています。
エムラクールはストーリー上において、ある意味ではニコル・ボーラスと肩を並べるほど、圧倒的な敵として存在していました。
エルドラージと呼ばれる種族、その始祖たる3体の中でも、他2体と比較にならないほど強大な存在として登場し、ゼンディカーやイニストラードという次元に壊滅的な被害をもたらしました。
今はそのイニストラードの月に封印されていますが、その封印は自らかけたものであるような描写があり、果たしてこれで終わりなのかは分かりません。
訪れるだけでその次元全ての生命に影響を与え、自らの血族へと変質させていく力を持っています。
デュエル・マスターズのイラストもよく見ると周囲の植物らしきものが、歪んだ姿で彼女にすり寄っているようにも見えます。
ちなみに、この見た目で女神。
イニストラードでの決戦の際はジェイスの精神世界に女神の姿で現れました。
チェスは苦手らしいです。
終わりに
めちゃくちゃ長くなりましたが、どうだったでしょうか。
今後コラボが増えるかは不明ですが、増えるのであれば、またフレイバーに富んだカードを期待したいですね。
私は長年、エムラクールをデュエル・マスターズで使う事が夢でした。
その夢は2年前にブラックボックスパックで叶い、その時は嬉しさのあまり夢中になってデッキを組んだものです。
もしかしたら、今回収録されたカードでも同じように夢が叶った、というような人も居るのではないでしょうか。
そんなカードを使ってデッキを組むのもまた楽しいかもしれません。